災害時に医療どう維持 九州豪雨で被災の施設「業務継続計画」に課題





豪雨で浸水被害を受けた熊本県人吉市の球磨病院=7月13日
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 九州を広範囲に襲った豪雨から、4日で1カ月。大雨特別警報が発令された熊本と福岡、鹿児島の3県では少なくとも約80の病院や診療所で浸水被害などが確認された。国は7年前から、全国の病院に災害時でも診療体制を維持するための業務継続計画(BCP)の策定を要請しているが、今回被災した医療機関の中には、策定したBCPの実効性が伴わなかったケースもあり、課題が改めて浮き彫りとなっている。(宇山友明、小松大騎)

 「想定外だったが、備えを万全にしていれば…」。浸水被害にあった球磨(くま)病院(熊本県人吉市)の上西大蔵(だいぞう)事務長はこう悔やむ。

 7月4日に発生した球磨川の氾濫で、7階建ての同病院の1階は2メートル近く浸水。策定していたBCPに従い、看護師長が現場責任者となって病院職員らに3~6階の入院患者約200人の安全確保などを指示した。人的被害はなかったが、1階にあったCTスキャンやレントゲンなどの検査機器は全て水没。貯水槽のポンプは損壊し、数日間は院内の各階へ水を供給することもできなかった。

 同病院は約8年前にBCPを策定。ただ、地震や火災を想定したもので、豪雨災害時の具体的な行動内容は定めていなかった。現在は外来診療を再開しているが、処方箋発行など限定的な業務にとどまっており、全面再開の見通しは立っていない。教訓を生かし、豪雨の際の各職員の具体的な行動を盛り込んだBCPを改めて策定する方針だ。

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