ムン・ジェイン「Kニューディールで190万人の雇用を創出!」→その仕事の中身を見てみると「鳩の餌やり禁止要員」「鳥の糞掃除係」「浄化槽掃除呼びかけ人」

鳥のふん掃除・閲覧室の番…これが新型コロナ「Kニューディール」の素顔だ(朝鮮日報)
京畿道軍浦市では先月から「ハト餌やり禁止監視員」を募集している。街でハトに餌をやる人を制止するという仕事だ。9月から3カ月間、一日5時間ずつ働いて、毎月119万8000ウォン(約11万円)もらえる。同市関係者は「『ハトに餌をやる人がいる』という苦情があるので監視員を募集している。新型コロナウイルス関連の雇用を作るよう指示があったので、我々も知恵を絞って考え出したアイデアだ」と明らかにした。

政府は今年4月、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の主宰で「新型コロナウイルス非常経済会議」を開き、「予算3兆ウォン(約2660億円)をかけて公共・若者の雇用先50万件を自ら創出する」と発表した。文大統領はこうした「新型コロナウイルス雇用」について「新たな雇用創出のため大規模事業を大胆に推進する必要がある。雇用を創出するのにとどまらず、『ポスト新型コロナウイルス』時代の革新成長を準備していく」とも言った。しかし、先月の第3次補正予算案通過後、各部処(省庁)や地方自治体が続々と募集告知を出している「新型コロナウイルス雇用」は大統領の約束とはかなりかけ離れているものが多かった。

京畿道軍浦市の新型コロナウイルス雇用の中には「鳥のふんのないきれいな五禁洞作り」という仕事がある。ベンチに付いている鳥のふんを落とす作業だ。このほかにもオートバイの騒音が聞こえたらすぐにナンバープレートを撮影して情報提供するパパラッチのような「オートバイ騒音監視員」、散歩をする犬・猫のふん処理を監視する「ペットエチケット順守ヘルパー」、図書館で騒ぐ人々を制止する「閲覧室の番」もある。3カ月間のこうした雇用人員1045人を選ぶのに予算44億4000万ウォン(約4億円)を使う。

釜山市蓮堤区庁は浄化槽を掃除するよう電話をかける若い人材を採用することにした。同区関係者は「1年に1回、浄化槽を掃除しなければならないが、しない家に1軒1軒電話して掃除するように促す業務だ」と説明した。蓮堤区庁はこのほかにも紙の横断幕の出力、自転車施設物破損点検、わき水周辺のゴミ拾いなど計878人を採用する。仁川市は一日3時間ずつ地下鉄駅やマンションなどで「住民税・固定資産税などをきちんと払ってください」と広報する「地方税納税広報要員」を募集する。京畿道安城市では17億ウォン(約1億5000万円)をかけて市内の敬老堂(老人いこいの家)479カ所にソーシャル・ディスタンス(社会的距離・感染防止のため人と人の間に距離を取ること)確保やマスクの着用を監督・指導する安全管理者を配置する。京畿道楊州市は野良猫捕獲担当者を募集する。 (中略)

専門家らは「企業活動に役立つような根本的な問題を解決しようとせずに、短期で質の低い雇用を創出するのは予算の無駄にしかならない」と話す。若者たちが集まるインターネット上の大学コミュニティー掲示板でも「これが話に聞いていた新型コロナウイルスKニューディールか」「おいしいバイトに税金祭り」「本当の雇用を創出しろ」という反応が相次いでいる。
(引用ここまで)

昨日のデービッド・アトキンソン氏のコラムを批判したエントリにも通じるお話。
ムン・ジェインは新型コロナウイルスでダメージを受けた雇用市場をフォローするために、韓国版ニューディールを立ち上げると雄々しく宣言したのですよ。
先月14日、演説の中で「Kニューディール」を立ち上げ、デジタル関連産業を育成するデジタルニューディールと、再生エネルギー中心のグリーンニューディールを両輪として、さまざまな雇用対策を行う。
新たに190万人の雇用創出を目指し、投入されるのは160兆ウォンだ……と。
あ、Kニューディールっていうのは楽韓Webで揶揄して言っているのではなくて、ムン・ジェインが本当にそう言っているんです。……いや、ホントに。

で、そのKニューディールでさまざまな雇用を立ち上げろと地方自治体にも命じているのですよ。
出てきたのが「鳩の餌やり禁止要員」「ベンチの鳥の糞掃除係」「ペットエチケット順守ヘルパー」「浄化槽掃除促進業務」「地方税納税広報要員」等々。
浄化槽の掃除を呼びかける仕事は「若者向け」なんだそうですよ。若者向けとは?
これらに比べたら前に出てきたAI用のデータにラベルを貼ってく作業はまだだいぶマシに見えますね。

……まあ、「労働者に穴を掘らせて埋めさせるだけでも経済対策になる。失業保険を払うよりマシ」とケインズも言っていることですし。
正直な話、ありっちゃーありだとは思うのですよ。
どんなものでもいいから雇用を持ってこい、金は政府が払う。景気浮揚策としてはあり。
「鳩の餌やりを禁止する人」でも「ベンチ掃除要員」でもいい、ということなのでしょうが。
高齢者のお小遣い稼ぎにはよいかもしれないけどなぁ。

実質的に4人にひとりが失業者とされている、韓国の若者に必要なのは電気管理士や、AI向けデータラベラーとか浄化槽の掃除を呼びかける仕事ではないと思うのですよ。
彼らはまだ今後数十年に渡って人生を続けるわけで。
この1年とか2年、そうした食えたところでどうにもならない。
「魚をあげるよりも、獲る方法を教えるべき」ってヤツですわ。
ムン・ジェイン政権的には「Kニューディールで全国民が幸せになる」という設定なのでしょうけどね。

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