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伊空軍のゴレッティ参謀長は航空幕僚長の招待に応じて10月に日本を訪問する予定で、米メディアの取材に「次世代戦闘機に関してイタリアと日本が何を共有できて、何を共有できないかを探る機会になる」と明かした。
ゴレッティ参謀長はJAGUARシステムの開発で共有できる技術の調整にやってくる可能性が高い
タイフーンの後継機を開発するため英国防省が立ち上げたテンペストプログラムはBAE Systems(英)、Rolls-Royce(英)、Leonardo(伊)、サーブ(スウェーデン)、MBDA(欧州)で構成される「Team Tempest」が開発を主導、さらにボンバルディア(カナダ)、GEアビエーション(米国)、コリンズエアロスペース(米国)、タレス(フランス)といった企業も開発に加わる予定で、プログラム参加企業の国籍が「英国」に制限されていない点が特徴だ。
国家主導の共同開発の場合、主要コンポーネントの開発を担当する企業の選定は技術力よりも開発参加国の都合で選ばれるため最適解ではない場合も多いのだが、プログラムへの参加企業を国籍で制限しないテンペストプログラムは自国企業や欧州の利益を第一に考える必要がないので必要な技術をもつ企業を世界中からチョイスすることが出来る、つまり餅は餅屋に聞けという考え方に近い。
但し、テンペストプログラムに参加する企業の殆どは英国法人=例えばイタリアに拠点をLeonardoの場合はLeonardo UKが、多国籍企業のMBDAの場合はMBDA UK、スウェーデンに拠点を置くサーブの場合は現地に研究開発の拠点を開設しており、資本の国籍は問わないもののテンペストプログラムに出資する英国人の雇用だけは守るというスタンスで、Team Tempestのコアメンバーでレーダー開発を担当するLeonardoを擁するイタリアもテンペストプログラムへ関与している。
イタリア政府はテンペスト・プログラムへの投資として3億4,500万ユーロ(2023年)を計上しているが、完成したテンペストを導入するかは未定のままだ。
日本は米国の支援を受けて独自に次期戦闘機を開発する方針だったが調整が難航したため支援を受ける国を米国→英国に変更、両国は交渉を通じて「次期戦闘機の要求要件」がほぼ一致していることや、1兆円を超える開発コストの抑制が図れると判断、両国はF-X開発計画とテンペスト・プログラムを統合して共通の機体を開発する方向で最終調整に入ったと報じられている。
つまりF-X開発計画とテンペスト・プログラムを統合した「新しいプログラム」に発展するという意味だが、現実的には開発体制の枠組みが出来上がっているテンペスト・プログラムに日本が参加する形になる可能性が高く、三菱電機とLeonardo UKは今年7月「戦闘機用レーダー技術の実証機開発(JAGUARシステム)で協力することに合意した」と発表しており、ゴレッティ参謀長もこの件で航空自衛隊と調整するため日本にやって来るのだろう。
因みにイタリアはテンペスト・プログラムを「第6世代戦闘機を構成する技術習得の機会」「テンペストプログラムを伊防衛産業界のビジネスチャンス」と捉えており、より大きな製造規模を確保するためゴレッティ参謀長はテンペスト・プログラムとFCASの統合を主張している。
イタリア国防省、テンペストへの投資額を28億円から300億円に増額
三菱電機とレオナルドUKが戦闘機用レーダー技術の実証機開発で合意
※アイキャッチ画像の出典:BAE
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