ショイグ露国防相、ロシア軍を49万人増の150万人に拡張する可能性

[ad_1]

ロシアのショイグ国防相は21日「軍の規模を150万人まで増やす必要がある」と発言、これが実行に移されればロシア軍の兵力は現行の101万から49万人増となるため注目を集めている。

直面する障害の質や規模に違いがあっても「戦いの長期化による弊害」は両軍に様々な問題を引き起こしているのだろう

ロシア軍の兵力は2018年1月1日に発効した法令によって90万人から101万人に拡張されたが、ウクライナ侵攻を受けてプーチン大統領は今年8月に兵力を115万人まで規模する法令に署名、この法令は2023年1月1日に発効する予定で、これ以外にも部分的動員で30万人の予備役を動員したためロシア軍の兵力は145万人+ドネツク人民共和国やルガンスク人民共和国で組織された民兵(推定4万人以上)+民間軍事会社ワグナー4万人=153万人になる計算だ。

ショイグ露国防相、ロシア軍を49万人増の150万人に拡張する可能性

出典:Mil.ru/CC BY 4.0

90万人時代における各組織の兵力は国防省スタッフ1万人、参謀本部スタッフ1.1万人、陸軍28万人、海軍(海軍歩兵を含む)15万人、空軍16.5万人、戦略ロケット軍5万人、空挺部隊4.5万人、特殊作戦部隊0.1万人、鉄道部隊2.9万人、その他軍属(通常の徴兵に応じた新兵)18万人で構成されており、陸軍の人員比率は31%なので比率がそのままなら101万人体制で31.3万人になる計算だが、恐らくウクライナ侵攻以降の拡張は陸軍の増員に重点を置いているはずなので、全ての増員を陸軍に割り振ると115万人体制で約40万人、150万人体制で約75万人、ここに部分的動員の兵士が加わると105万人となる。

ここに海軍歩兵、空挺部隊、特殊作戦部隊、両共和国の民兵、ワグナーなどの補助戦力が加わると地上兵力は120万人前後になり、兵士の命を顧みない人海戦術で「ウクライナ軍との消耗戦に勝利したい」という強い決意を感じるが、この発言には海外メディアも注目しているのが興味深い。

ショイグ露国防相、ロシア軍を49万人増の150万人に拡張する可能性

出典:Весна

ロシア軍の大規模な動員は「国民からの強い反発」や「動員対象者の国外脱出」を招いたものの国民の反発は限定的で長続きせず、ウクライナ軍も西側諸国の軍事アナリスト達も「ロシア軍の動員計画は上手く行っていて新年早々にも新たな動員が行われる」と予想しており、ロシアがウクライナとの戦いに「どこまで国民の命をつぎ込むのか」は見当もつかない。

因みにロシアの法律上、動員対象者への招集令状は地区の担当者が登録された住居を尋ねて手渡しする決まりになっており、物理的に招集令状を受け取らない限り「招集拒否の罪」に問われないため対象者が「登録している居住地域から逃亡(招集拒否よりも圧倒的に罪が軽い)」することが多く、この抜け穴を塞ぐためロシア政府は「招集令状のデジタル化」と「携帯電話への送信」を準備中で、対象者が通知を確認したかどうかに関係なく「期限までに出頭しなければ招集拒否の罪で起訴する」方向らしい。

ショイグ露国防相、ロシア軍を49万人増の150万人に拡張する可能性

出典:Sotiri Dimpinoudis

さらに各省庁間で動員対象者のデータを共有して「招集に応じなかったものは各公的サービスや銀行決済などが利用できなくなる」とも露国営メディアが報じているが、ウクライナ側でも戦いの長期化で軍紀に問題が生じており、最高議会は軍人に対する刑事責任を大幅に強化する法案(法律8271号)を採択して注目を集めている。

この法案は軍の法務機関に「軍人、予備役、徴兵された兵士への薬物・アルコール検査を行う権利」を与え、軍人に対する刑罰を軽くする刑法69条と執行猶予付き刑罰の適用を定めた刑法75条を改正するためのもので、ロシアと戦争中のウクライナ軍ではアルコール飲料の摂取が禁止(休暇中はOK)されており、戦いの長期化で部隊からの無断離脱や逃亡、戦闘任務の放棄、武器使用の拒否、命令不服従などが増加傾向だが、国民はゼレンスキー大統領に「法律8271号への署名を拒否してほしい」と請願中だ。

ショイグ露国防相、ロシア軍を49万人増の150万人に拡張する可能性

出典:Головнокомандувач ЗС України

しかしザルジュニー総司令官は「言いにくい話題を取り上げざるを得ない」と前置きをした上で法律8271号を支持すると発言、この法案は現地の司令官や部隊の立場を反映したもので「同問題を放置すれば前線部隊の兵士に余計な負担が生じて結果的に無駄な兵士、民間人、土地が失われることになる。一度失われた土地を取り戻すには高いコストと犠牲を支払う必要があり現在のままではダメだ」と説明、現在のウクライナ軍に「無断離脱や逃亡に繋がる問題」が存在していると現地メディアに明かしているのが興味深い。

因みにザルジュニー総司令官は「平時ならもっと別のアプローチがあったと思うが、戦時では迅速かつ効果的に問題を解決する必要がある」と述べており、直面する障害の質や規模に違いがあっても「戦いの長期化による弊害」は両軍に様々な問題を引き起こしているのだろう。

ウクライナ軍総司令官、ロシア軍の動員計画は非常に上手くいっている
プーチン大統領の動員発表を受け、ロシアでは国外脱出と抗議運動が本格化
リトアニア外相、動員から逃げ出すロシア人は祖国でプーチンと戦え

 

※アイキャッチ画像の出典:Mil.ru / CC BY 4.0

[ad_2]

Source link