ウクライナ人ジャーナリストのユーリ・ブツソフ氏は9日夜「ソレダルは危機的な状況だ。敵は主要な補給ルートを攻撃できる位置まで迫っており、通常ルートによる補給は不可能になった」と明かした。
ソレダルの状況は危機的であっても絶望的ではないので諦めるにまだ早い
ウクライナのマリャル国防次官は9日「ソレダル制圧に失敗したロシア軍が部隊を再編、損失を補充し、新たな戦力と共に戦術も変更して強力な攻撃を再び仕掛けてきた」と言及していたが、ウクライナ人ジャーナリストのユーリ・ブツソフ氏は「ソレダルは危機的な状況にある。敵はソレダルに繋がる主要な補給ルートを攻撃できる位置まで迫っている」と明かして注目を集めている。

出典:GoogleMap ソレダル方面の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)
ブツソフ氏は「完全にソレダルがロシア軍に包囲されたという意味ではないが通常のルートでの補給は不可能になった」と付け加えており、どうやら「T0513方向からソレダルに向かう道路を見下ろせる丘=Ⓐ」をロシア軍に取られたらしい。
この指摘は視覚的な証拠を伴っていないため観測者の中には「ウクライナ人ジャーナリストの情報だからといって無条件に信用していいのか?=事実と断定するには時期尚早」と主張する人々もいるが、ブツソフ氏は2日前にも「現在ソレダルにいる」と写真付きで投稿しているため今回の指摘を「事実」と判断する観測者も少なくなく、管理人も「入手できる情報の中では比較的信頼性が高い」と思っている。
Доброго ранку з Соледару, пишу зараз саме з цього міста, на Донбасі мороз, сонячний день. Воїни 46-ї десантно-штурмової бригади впевнено захищають українське місто. #Soledar #UkraineRussiaWar #ArmedForcesofUkraine pic.twitter.com/YzbbzW7ixB
— Бутусов ПЛЮС (@UButusov) January 7, 2023
ソレダル以外の部分では「ロシア軍部隊の先端がクラスナ・ホラやクラスノポリフカの郊外に到達した」という報告もあり、バフムート東部で「ロシア軍がウクライナ軍を押し込んでいる」という印象を受けるが、バフムート南部のオプトネも「ロシア軍が拠点の大半を支配した」と推定する観測者が多く、バフムートとクリシェイフカの接続も遮断されつつあるので「ロシア軍の攻勢」はソレダル方面に限定されていないのかもしれない。
因みにブツソフ氏は「ここには多くの人員や機材があるのでチャンスは残されている。この困難な状況を改善にするには行動が必要だが無秩序では駄目だ。少しづつでも良いので計画的に前進することが必要だ」と指摘しているため、ソレダルの状況は危機的であっても絶望的するにはまだ早い。
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※アイキャッチ画像の出典:Сили територіальної оборони ЗСУ