ロイターは20日「米政府高官が兵器の供給と訓練が終わるまで大規模な攻撃を控えるようウクライナに助言している」と報じており、レズニコフ国防相は「ウクライナ人に対するレオパルト2の訓練が可能になった」と明かしている。
レオパルト2を保有する国々によるウクライナ人の訓練機会を得た、我々はここからスタートして次のステップに進む
米国は25億ドル相当のウクライナ支援パッケージを19日に発表、ブラッドレー歩兵戦闘車、25mm弾薬、TOW、ストライカー装甲車、クーガー装甲車、HMMWV、アベンジャー、155mm砲弾、エクスカリバー砲弾、105mm砲弾、120mm迫撃砲弾、HIMARS向け弾薬、NASAMS向け弾薬、AGM-88HARMといった装備や弾薬を提供するものの、特にブラッドレーやストライカーといった新しい装備は訓練が必要になる。
The 47th brigade of Ukrainian soldiers has begun training on the American BMP M2A2 Bradley ODS, as the country prepares to receive the new military equipment in the near future. The acquisition of these new weapons signals a significant upgrade to Ukraine’s military capabilities. pic.twitter.com/R9oksD06lr
— Ukraine Reporter (@StateOfUkraine) January 15, 2023
国防総省はウクライナ人に対するブラッドレーの訓練について「数ヶ月ではなく数週間だ」と述べているが、ウクライナ軍は新たにチャレンジャー2、AMX-10RC、マルダー、CV90、ストライカー、AS90、アーチャーといった装備の訓練も受けなければならず、国内に保守体制も構築する必要があるため「戦力として機能させるには時間がかかる」と予想され、米政府高官も「兵器の供給と訓練が終わるまでロシア軍に対する大規模な攻撃を控えろ」とウクライナ側に助言しているらしい。
さらに興味深いのはレズニコフ国防相が「戦車提供に向けて突破口を開いた」と述べている点で、まだレオパルト2提供の合意には至っていないものの「これを保有する国々がウクライナ人に訓練を開始する機会を得た。我々はここからスタートして次のステップに進む」と説明しており、提供開始と同時に運用が行えるよう準備だけは進めておくのだろう。

出典:GoogleMap ザポリージャ州の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)
因みにロシア軍はザポリージャ方面で攻勢に出たという報告があり「オレホボに向かうためロシア軍が周辺拠点を複数占領した」という噂もあるが、視覚的な証拠はないので今のところ様子見だ。
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※アイキャッチ画像の出典:US Army photo by Capt. Cody Gallo