ノースロップ・グラマン、TB2クラスの無人機向け精密誘導弾薬が実戦配備に近い

By | January 24, 2023


ノースロップ・グラマンは23日「Group3の小型無人機向け精密誘導弾薬『Hatchet』が実戦配備に近づいている」と明かしており、Group3はTB2クラスの無人機なので非常に興味深い傾向だ。

もしかするとTB2が切り開いた小型UCAVというジャンルに米国も進出するのかもしれない

自衛隊の試験導入が決まっているトルコ製UCAV「バイラクタルTB2」は競合する米国、欧州、中国を打ち負かしてクウェートから受注(3.7億ドル)を獲得、これでTB2の導入国は28ヶ国に増加したため海外メディアも大きな関心を寄せているが、ここまでTB2が海外市場で大きな支持を得ているのはMQ-9とほぼ同等の滞空性能を備えながら機体単価が500万ドル以下と安いためだ。

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出典:Baykar

先に説明しておくとUCAVとは「武装可能な無人航空機」という意味で、特にTB2は2020年のナゴルノ・カラバフ紛争で装甲車輌を多数破壊したため「近接航空支援=対地攻撃」としての役割に注目が集まっているものの、滞空性能を生かした情報収集・監視・偵察・ターゲティング(ISRT)任務、ハードポイントにSIGINTポッドを携行すれば通信・電磁波・信号情報の収集、見通し通信による戦術通信の中継などにも使用でき、最近ではUCAVにソノブイ・ディスペンサーポッドを携行させて対潜戦や合成開口レーダー(SAR)を搭載して機雷戦に活用する国も登場している。

つまり有人機のマルチロール機と同じで「装備変更による複数任務への対応」がUCAVの魅力なのだが、なぜTB2がMQ-9よりも機体単価を抑えることに成功したかは「コンセプトの違い」に秘密があり、MQ-9は有人機が携行するヘルファイア、Paveway、JDAM弾を使用するため機体サイズもエンジン出力も大きなものを採用、一方のTB2は中高度を長時間飛行するUCAVに最も重要なのは「滞空性能」で「有人機向けの兵器運搬能力は不要」と判断して機体サイズもエンジン出力も小さなものを採用した。

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出典:TÜBİTAK Savunma Sanayii Araştırma ve Geliştirme Enstitüsü Bozok TB2に搭載可能な新型レーザー誘導爆弾Bozok

ただTB2による近接航空支援を完全に捨てたわけではなく、無人機向けの小さな精密誘導兵器「MAMシリーズ(滑空式の誘導兵器で最大到達範囲は8km~14km)」を用意することで地上目標に対する十分な攻撃能力(地上建造物を破壊するといった本格的な対地攻撃能力はない)を確保しており、このコンセプトが結果的にTB2の機体価格を大きく引き下げることになったのだ。

UCAVは撃墜されるリスクの高い空域での任務にも投入しやすいというのも魅力の一つだが、4,000万ドル(2021年度の調達実績では4,940万ドル/米空軍)を超えるMQ-9を気軽に消耗できる国は少なく、TB2のコンセプトはロシア(Orion)、中国(CH-92A)、アラブ首長国連邦(Reach-S)、エジプト(Thebes-30)、パキスタン(Shahpar-2)なども取り入れており、小型UCAVというジャンルはほぼ確立されたと言って過言ではない。

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出典:EDGE Reach-S

そしてノースロップ・グラマンもTB2クラスの小型無人機向け精密誘導弾薬「Hatchet」が「国防総省の演習で何度もテストされ実戦配備に近づいている」と明かした。

Hatchetは無人機を性能別に5段階に分類した無人航空機システム=Unmanned Aircraft System:UASのGroup3(重量約600kg/作動高度約5,480m/作動速度460km以下)向けで、米陸軍がRQ-7Bの後継機として採用したJump20(RQ-7Bの後継機選定はIncrement1とIncrement2に分かれていてIncrement1枠としてJump20が採用されただけでIncrement2は別の機種になる可能性もある)に統合されているらしい。

恐らくHatchetは超小型の精密誘導兵器(動画に写ったサイズは両手で持てそうなぐらい小さい)なので非装甲車輌や対人攻撃を目的にしたものかもしれないが、Group3向けの無人機に攻撃能力を持たせるというコンセプト自体はTB2の成功に影響を受けている可能性が高く「興味深い傾向」と言えるだろう。

もしかするとTB2が切り開いた小型UCAVというジャンルに米国も進出するのかもしれない。

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※アイキャッチ画像の出典:Northrop Grumman



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