米空軍、無人戦闘機の価格は2,000万ドル~4,000万ドルで2020年後半に登場

[ad_1]

米空軍長官は有人機に随伴する無人戦闘機(CCA)の調達コストについて「2,000万ドル~4,000万ドルだ」と、ハンター次官補も「次世代戦闘機よりCCAは早く登場する」と明かし、2027年~2029年の間にCCAが登場すると思われる。

米空軍のCCAは2027年~2029年の間に登場する可能性が高い

有人戦闘機に随伴する無人戦闘機のことを米空軍は「協調戦闘機(Collaborative Combat Aircraft=CCA)」と呼んでおり、管理人が知る範囲の情報を総合すると「スカイボーグ・プログラムはCCAに要求される技術要素の検証に過ぎない」「CCAの競争試作は2024年に開始される可能性がある」「1機の有人機が制御するCCAの数は当面2機」「CCAの戦力サイズは1,000機」「調達性に優れていることが重要だが驚くほど安価ではない」というもので、米空軍はCCAを開発するため4.7億ドルの資金を議会に要求している。

米空軍、無人戦闘機の価格は2,000万ドル~4,000万ドルで2020年後半に登場

出典:USAF Air Force Research Laboratory AFRLが作成したスカイボーグ・プログラムのイメージ

ケンドール空軍長官は議会の予算審議の中で「CCAの調達コストはF-35の25%~50%=2,000万ドル~4,000万ドル」だと言及しているため、CCAの価格はF-16V(推定5,490万ドル)よりも安価だと言えるが、スカイボーグ・プログラムにも参加していたXQ-58Aヴァルキリー(200万ドル~300万ドル)ほど安価ではなく、米空軍研究所が主導していたLCAAT (低コスト航空用航空機技術/XQ-58AはLCAATの下で開発された機体)のコンセプトは否定された格好だ。

米空軍の開発計画全般を管轄するムーア中将はCCAで実現する基本的なミッションセットとして「射撃手として戦闘部隊の能力強化」「電子戦の能力」「戦場におけるセンサーとしての能力」の3つを挙げており、1つ目の能力は「有人機に随伴する弾薬庫」という意味で、国防高等研究計画局が主導する「複数の空対空ミサイルを運搬可能なLongShot UAV」と同じ方向性なので中々興味深い。

米空軍、無人戦闘機の価格は2,000万ドル~4,000万ドルで2020年後半に登場

出典:General Atomics Aeronautical Systems LongShot UAVのイメージ

2つ目と3つ目の能力は書いてある通りだが、米空軍の関係者はCCAについて「自立飛行が可能な目標照準ポッドや電子戦ポッドのようなものだ」と述べていたことがあり、基本的なミッションセットを1つCCAで実現するのか、各要素に特化したCCAを別々に用意するのかは不明で、ムーア中将は「CCAが有人機の一部になるのか、それとも独立した存在になるのか、CCAが有人機と編隊を組んで飛ぶのか、それともCCAと有人機は戦場で集結するのか、この辺りの戦術、技術、手順を定義する必要がある」と述べている。

ロッキード・マーティンはLoyal Wingman方式のように単一の無人機ではなく「機能毎に異なる有人機が協調して全体の能力を構成するDistributed Team(分散チーム)」の概念を提案しており、他の企業は単一の無人機を提案しているため、この辺りはCCAの要求要件が固まらないと何と言えないところだが、米空軍で調達・兵站を担当するハンター次官補はCCAの実用化時期について「次世代戦闘機よりも早く戦力に加わる」とも指摘しており、この辺りは他国に歩調をあわせてきた格好だ。

米空軍、無人戦闘機の価格は2,000万ドル~4,000万ドルで2020年後半に登場

出典:BAE Systems

米国、英国、日本、独仏西が開発を進めている第6世代機の開発計画は「有人機」のみを開発するのではなく、有人機を中心としたファミリーシステムの開発を目的にしており、各国の計画には有人戦闘機に随伴する無人戦闘機や、親機に運搬されて戦場へ運ばれる子機の開発が含まれているが、英国も独仏西も「無人戦闘機だけは実用化を前倒して既存機とのチーミングを実現させる(英国は2020年中にF-35やタイフーンとのチーミングを予定)」と主張。

第6世代機を開発していない国は第5世代機や第4.5世代機とのチーミングを実現させるため無人戦闘機の開発を進めており、オーストラリアのMQ-28AはF-35AやF/A-18E/F、トルコのKızılelmaはF-16やTF-X、インドのWarriorはテジャスMK.1AやMK.2、韓国の無人戦闘機はKF-21とのチーミングを予定しており、MQ-28AとKızılelmaは初飛行済み、Warriorは2024年頃に初飛行予定で、韓国の無人戦闘機も2025年に初飛行を予定している。

YouTube video

エンブラエルもブラジル空軍向けにステルス無人戦闘機の開発を発表、シンガポールも謎の無人戦闘機を開発中で、ロシア(オホートニク)や中国(FH-97A)も既存機とのチーミングに対応した無人戦闘機の開発を進めており、2020年後半に無人戦闘機が登場してくるのはほぼ確実な状況だ。

各国が先を急ぐように実用化を進めるのは有人機と無人機のチーミングに「定石」がないためで、他国よりも早く実機で戦術開発を行い「効果的な有人機と無人機のチーミング」を完成させるためだろう。

YouTube video

ハンター次官補は「次世代戦闘機(2030年までに登場予定)よりも数年早く登場する」とも述べているので、CCAは2027年~2029年の間に登場する可能性が高い。

ジェネラル・アトミックス、空対空ミサイルを運搬可能なLongShot UAVのイメージを公開
これは無人戦闘機?ノースロップ・グラマンが空中発射型UAV「LongShot」案を公表
米軍、複数の空対空ミサイルを運搬可能な空中発射型UAV「LongShot」開発を発表
ランド研究所が沖縄配備を主張していたXQ-58、米空軍が打ち上げシーンを公開
英BAE、消耗型と再利用型の無人戦闘機に関するコンセプトを発表
エンブラエル、ブラジル空軍向けにエア・チーミング対応の「ステルス無人戦闘機」を開発
韓国、有人戦闘機とチーミング可能な無人戦闘機を2025年に初飛行させる
国産艦上戦闘機や戦闘機随伴型のステルス無人戦闘機が登場したエアロ・インディア2021
米空軍、KC-46やE-7のオペレーターによる無人戦闘機の制御を検討中
ロッキード・マーティン、独自に有人・無人チーミングの概念を発表

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force/A Skyborg conceptual design for a low cost attritable Unmanned Combat Aerial Vehicle

[ad_2]

Source link