K2は優れた戦車、レオパルト2A7と決定的な違いはエコシステムの熟成度

[ad_1]

米ディフェンスメディアは「独レオパルトは韓ブラックパンサーの侵略に対抗できるのか?」という興味深い記事を公開しており、KMWの関係者は「両者の決定的な違いは戦闘性能ではなくエコシステムの熟成度だ」と指摘している。

最終的にポーランドが何輌のK2を調達するかは蓋を開けて見るまで分からない

ポーランド陸軍はドゥダ大統領やブラスザック国防相にK2やK9の実弾射撃を披露、820輌ものK2PL現地生産に関する契約に署名したが、未だに欧米では「NATO加盟国のK2導入」を衝撃的なニュースとして繰り返し報道しており、米国のForeign Policyは「韓国製戦車が欧州市場を席巻するかもしれない」と、英国のJane’sも「今回の取引でポーランドは潜在的な軍事力を強化しつつ自国の防衛産業再建に乗り出し、韓国は欧州の防衛市場で地位を高め両国の関係はWin-Winだ」と報じている。

米ディフェンスメディアのBreaking Defenseも31日「ドイツのレオパルトは韓国のブラックパンサーに対抗できるのか?韓国は欧州の戦車市場を狙っているが、ブラックパンサーはレオパルトの牙城をどう崩すのか?」という記事を掲載、中々興味深い言及が沢山あるのだが「欧州におけるレオパルト2の優位性を崩すのは現時点では難しく、需要の小さな国はK2に移行するよりもレオパルト2を維持した方が得策だが、ポーランドの製造拠点が立ち上がると欧州諸国にK2を売り込むのが容易になる」というのが結論だ。

ポーランドは技術移転に消極的なドイツの対応に直面してレオパルト2PLへのアップグレードが難航、独仏が進めている次期主力戦車プログラムへの参加も拒否(開発・製造への参加はNO/顧客としての購入はOK)されたため「現地生産」と「技術移転」を条件にK2導入が本格化、レオパルト2も選択肢の1つだったのだが「2023年から月1輌の供給しかできない」と言われ、韓国の防衛産業界に精通したエドワード・キム氏は「ポーランドのK2導入は5年以内に980輌納品が決め手になった」と同紙に明かしている。

K2は優れた戦車、レオパルト2A7と決定的な違いはエコシステムの熟成度

出典:Wojsko Polskie

キム氏は「競合と比較してK2の性能は十分なもので価格も安く、迅速な納品と包括的な部品供給や技術移転を約束していた。ポーランドが国内に大規模な保守、スペアパーツ製造、物流拠点を所有するという事実は北欧、東欧、バルト三国にとって大きなセールスポイントになるだろう」と、ポーランドの防衛産業界に精通したクシシュトフ・クスカ氏も「K2導入はポーランドのニーズと韓国が能力が一致した結果で、次期主力戦車(K3)で両国が協力する可能性も高い」と述べているが、ポーランド人ジャーナリストは別の視点を同紙に提供している。

防衛問題や安全保障政策が専門のロバート・クルダ氏は「K2、K9、FA-50を含む大量の装備品調達に必要な財源を政府は明確にしておらず、既に産業界はK2の国内生産数が500輌になる可能性を示唆し始めており、仮に計画通り事をが進んでもポーランドがK2の海外輸出に乗り出せるのは何年も先の話だ」と指摘、つまり約1,000輌のK2調達に関する枠組みに両国は合意したたけで、K2調達の契約は段階的に締結(現在までに締結した契約は180輌分)されるため「最終的に何輌のK2を調達するかは蓋を開けて見るまで分からない」という意味だ。

レオパルト2A7とK2の決定的な違いは戦闘性能ではなくエコシステムの熟成度

レオパルト2A7とK2を実地テストで比較したノルウェー軍の調達部門は政府への勧告の中で「両者に大きな性能差はなかった」と言及して注目を集めたが、エドワード・キム氏も「重装甲のレオパルト2A7は防御力が優れているため、韓国はポーランド(K2PL)とノルウェー(K2NO)には装甲を強化したバージョンを提供することで相手の利点を緩和した」と明かし、独KMWのコンサルタントを務めるニコラス・ドラモンド氏も「同意見だ」と述べているのが興味深い。

K2は優れた戦車、レオパルト2A7と決定的な違いはエコシステムの熟成度

出典:Wojsko Polskie

ドラモンド氏は欧州市場に食い込んできた韓国製兵器への「辛口の評価」で有名なのだが、同紙の取材に「レオパルト2のコンセプト、デザイン、操作方法を踏襲してきたK2は優れた戦車と言える。さらにK2は自動装填装置や可変サスペンションなど効果的な技術を追加してきた」と評価、両者の決定的な違いは「戦闘性能ではなくエコシステムの熟成度にある」と指摘している。

つまりレオパルト2は複数の国で開発コストを共有、多くの国が独自のサプライチェーンを構築しているため「安価なスペアパーツ」を「複数のソース」から容易に入手できるため、まだ韓国とポーランドしか採用していないK2のエコシステムは「レオパルト2に及ばない」という意味だ。

K2は優れた戦車、レオパルト2A7と決定的な違いはエコシステムの熟成度

出典:Forsvaret

さらにドラモンド氏は「冷戦時代にKMWはレオパルト2を月16輌も生産していた実績があり、新しい製造技術を取り入れながら現在も同じ(工場の)床面積を確保しているので、NATO加盟国の需要に十分対応する能力がある。もし納品にスピードに問題が発生するなら製造元ではなくサプライチェーンの問題だ」と主張し、クスカ氏も「大規模な武器購入の前で能力の小さな違いなどは些細な問題に過ぎず、韓国のような遠い相手との協力より、より近い隣国との密接な繋がりの方が常に有利だ」と述べている。

但し、クスカ氏は「今直ぐK2を他のNATO加盟国に売り込むのは難しいが、ポーランドの製造拠点が立ち上がって大量運用が始まればK2の輸出先を見つけるのが容易になるかもしれない。ただ現時点でドイツの経済力は圧倒的で欧州における影響力も大きいため、まだレオパルト2はK2よりも優位な立場にあり、需要の小さな国はK2に移行するよりもレオパルト2を維持した方が得策だ」とも指摘し、欧州の戦車シェアに大きな変化が起きるとしても「当分先の話=欧州の製造拠点が軌道に乗った後の可能性」だと述べているが大変興味深い。

K2は優れた戦車、レオパルト2A7と決定的な違いはエコシステムの熟成度

出典:16 Dywizja Zmechanizowana

因みにドイツ陸軍の現役将校(匿名)は同紙の取材に「K2の姿勢制御機能はパーティートリックだ。数度の高低差を変更するため技術的に戦車の構造を複雑化させる必要はなく、傾斜を利用すれば解決する話だ」とK2に批判的だが、今後のA7は「旧型からの再生産ではなく新造品が主流になる。旧型の車体は経年劣化で金属疲労を起こし、トーションバーが車体に食い込んできているため誰もA4からA7へのアップグレードを考えておらず、A6も車体がA4ベースなので状況は一緒だ」と指摘している。

つまりノルウェーが手持ちのA4をA7にアップグレードしないのは「そういうこと」なのだろう。

ノルウェー軍の調達部門、レオパルト2A7とK2に大きな性能差はなかった
米メディア、K2がレオパルト2を駆逐して欧州市場を席巻するかもしれない

 

※アイキャッチ画像の出典:16 Dywizja Zmechanizowana

[ad_2]

Source link