24年前突然消えた娘 母「生きている」 待ち続ける笑顔になれる日

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24年前突然消えた娘 母「生きている」 待ち続ける笑顔になれる日

井出真代さん=家族提供

【写真特集】行方が分からなくなっている井出真代さん

 行方不明になっているのは、東京都町田市で家族と暮らし、多摩美術大で絵画を専攻していた井出真代さん。当時18歳だった。

 1999年8月13日、真代さんの家族は愛知県に帰省した。だが、真代さんは「歯医者の予約があるから」と言って一緒に行かなかった。家族が愛知県から自宅に戻ったのは3日後の16日。しかし、真代さんの姿はなく、いくら携帯電話に電話してもつながらない。

 友人や知人に尋ねても真代さんの行き先は分からなかった。「家を突然出る理由は思い当たらず、足が震えました」。母万里子さん(69)は当時を振り返る。

 翌17日に警視庁町田署に届け出たが、担当者からは「失踪する大学生なんて管内では月に何十人もいますよ」と言われ、刑事事件として扱われなかった。

 それから、万里子さんは家族とともに真代さんの写真を手に捜し続けた。

 「通っていたプールやよく買い物に行っていたアパレルの店を回り、真代の友達にも会いに行きました」。失踪当時、町田市内には激しい雨が降っていた。川に流された可能性もあると考え、川沿いの土手を歩いて捜し回ったが、何も見つからなかった。

 戦没学生の絵画を集めた長野県にある美術館「無言館」の館主の講義を聞いた真代さんが感銘を受けていたことを思い出した。万里子さんは無言館を訪れ、来館者が感想などを書き残すノートに目を通し、真代さんの筆跡を必死に探した。大学のサークルの合宿で真代さんが宿泊したことのある東京・三宅島の民宿も一人で訪ねた。

 でも、手がかりは何一つなかった。

 「くたくたになって家に帰るんです。今日もダメだったって落ち込みながら。でも、玄関の前に立つと、もしかしたら真代はもう自宅に戻って、居間の椅子に何事もなかったかのように座っているかもしれない。そう思って、かすかな期待を込めて、ドアを開けるのです。でも、やっぱりいない」。そんな日々を送っているうちに体重は10キロほど減った。

 失踪から10年がたった時だった。警視庁捜査1課の捜査員が自宅を訪ねてきた。「真代さんは事件に巻き込まれた可能性があります」。万里子さんは捜査の進展に期待したが、真相究明には至らなかった。

 山梨県で真代さんと似た人物を見たとの情報が寄せられ、証言した人に会いに行ったこともある。その後、現地でビラも配った。「いろいろな人が協力してくれて、情報があるたびに『今度こそは』と思いますが、何も分からない。そういったことを繰り返すうちに、以前のような期待を持てなくなっていったというのが正直なところです」

 普段は真代さんのことは思い出さないようにしている。写真もあえて見ない。ただ、街中で買い物をしている母娘の姿を見かけると、真代さんの顔が鮮明に脳裏に映し出される。「蓋(ふた)をしていたものが一気にあふれ出ます」

 仲の良い母娘だった。絵画の個展を定期的に開くほどの腕前の万里子さんに似て、真代さんも幼い頃から絵がうまかった。

 「感性が合いました。真代となら1時間でもずっと笑いながら話すことができました。交際相手も紹介してくれたし、真代も私には何でも伝えられたのだと思います」

 今、どこにいるのか。何度も何度も考え続けてきたが、分からない。事件に巻き込まれた可能性も想定しているが、「最悪のケースは私は考えていない」と万里子さんはきっぱりと言う。

 「生きてると思います。帰ってきたら、何も言わず抱きしめたい」

 真代さんは身長171センチでやせ形。81年2月3日生まれで、現在は42歳になる。情報提供は警視庁町田署(042・722・0110)か真代さんの父敏一さんの携帯電話(080・8543・3772)まで。【川上晃弘】

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