
宝塚歌劇団に所属する元劇団員が9月に転落死した問題が注目を浴びています。FNNの取材に、2006年に退団した東小雪さんが証言しました。
受け継がれる厳しい上下関係 宝塚歌劇団に望むこと
東小雪さんは以下のように語ります。
私がこうして証言を続けているのは、自分も加害者だったからなんです。予科(下級生)の時は私が被害者だったんですけれども、進級して本科生(上級生)になって、新しい予科生が入ってくる時に引き継ぎがありました。今度は私が加害者になって、下級生たちを怒鳴っていた。
宝塚歌劇団内で受け継がれてきた厳しい上下関係の実態が明らかになりました。
遺族の代理人は、転落死した女性の自殺の原因は長時間労働や上級生からのパワハラだと主張しています。しかし、上級生から下級生へ行われてきた行為は一体どのようなものだったのでしょうか。
東小雪さんはさらに続けます。
入学した時に、予科生がお風呂に入れない、洗濯ができない、眠れないという驚きの事実がありました。本科生から怒鳴られたり、寒い中立ちっぱなしにさせられるなど、数え切れないほどのことがありました。本科生に謝らなければならないということで、コンクリートに膝をついて謝り続けなければならないこともありました。
宝塚歌劇団ではおかしなルールに従わされる日々が当たり前だったようです。
東小雪さんに外部に告発することができなかった理由を尋ねると、彼女はこう答えました。
「外部漏らし」という言葉がありました。親に言うと本科生の耳に入り、「お前なに外部漏らしてるんだ」と口汚く怒鳴られたり罵倒されます。だれかが外部に言うと、全員が責任を負わなければならないので、ますます言えなくなるんです。宝塚は特殊な存在で、暴力がダメと相談するのは当然のことなのに、劇団員としての所属感から相談すること自体ができないんです。
東小雪さんが宝塚歌劇団に望むことについても語っています。
人の命が失われてしまった。本当に遅すぎることです。これ以上同じようなことが繰り返されないように、私たちは責任を持たなければなりません。私自身も、過去に加担した私も、今舞台に立っている人たちも、関係者も、舞台を見に行っている人たちも、パワーハラスメントを絶対に許してはいけないという覚悟が必要です。
宝塚歌劇団は11月11日に外部の弁護士たちによる調査報告書を受け取ったことを発表し、「今後の改革の方針とあわせて、近日中にお知らせする」としています。
(「イット!」11月13日放送)