参院選和歌山選挙区、保守分裂が招く混戦の行方

今月20日に投開票が迫る参議院選挙の和歌山選挙区(改選数1)では、過去最多となる7人の候補者が立候補し、激しい選挙戦を展開しています。長らく保守地盤が強固であった和歌山県において、自民党の重鎮である二階俊博元幹事長と世耕弘成前参院幹事長の間に生じた対立が「保守分裂」を引き起こし、これが今回の選挙戦の最大の焦点となっています。この分裂に加え、他の勢力も混戦に拍車をかけており、選挙の行方は依然として不透明です。

二階・世耕両氏の対立軸と自民党系候補の動向

今回の和歌山選挙区における自民党の公認候補は、二階俊博氏の三男で元秘書の二階伸康氏(47)です。彼は昨年10月の衆議院選挙和歌山2区で、無所属で立候補した世耕弘成氏に敗れた経緯があり、今回は参議院での当選を目指しています。一方、自民党県連の役員投票で二階伸康氏に敗れた元有田市長の望月良男氏(53)は、無所属として立候補。世耕氏が望月氏を全面的に支援する形となり、保守層の票が割れる主要因となっています。さらに、無所属新人で不動産会社役員の末吉亜矢氏(54)も自民党に近い立場であり、保守層や無党派層への浸透を図っています。この3候補が保守票の行方を大きく左右する構図です。

和歌山市で参院選候補者の演説に聞き入る有権者と支持者和歌山市で参院選候補者の演説に聞き入る有権者と支持者

野党勢力の多様な挑戦

野党側からは、日本維新の会新人で元県議の浦平美博氏(53)が、立憲民主党との候補者一本化を経て立候補しています。彼は党勢を拡大する日本維新の会の追い風を受け、幅広い支持層にアピールしています。共産党からは新人で党県副委員長の前久氏(69)が4度目の挑戦に臨んでおり、立憲民主党が「自主投票」とする支持層にも支持を訴え、地道な活動を続けています。

独自路線で挑む新規勢力

参政党からは新人で訪問看護会社役員の林元政子氏(51)が立候補し、「日本人ファースト」を前面に掲げ、看護師や子育ての経験に基づく独自のアピールを展開しています。また、政治団体「NHK党」新人で元総務省職員の本間奈々氏(56)は、「親中、媚中」政策への強い反発を訴え、既存政党への不満を持つ層からの支持を狙っています。これらの候補者も独自の支持基盤を固め、選挙戦をさらに複雑にしています。

情勢調査が示す終盤戦の展開

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が12、13日に実施した情勢調査では、望月氏がリードするものの、二階氏が猛追し、林元氏がそれに続く展開が示されています。しかし、選挙戦は終盤を迎えており、有権者の投票行動によっては情勢が大きく変わる可能性も十分にあります。各候補者は最後まで懸命に支持を訴え、激しいデッドヒートを繰り広げています。和歌山選挙区の最終的な結果は、日本の政局にも少なからず影響を与えることでしょう。

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