「神現場」は実在した!70件超えのスキマバイト経験者が語る「元祖ニュータンタンメン本舗」での驚きの体験

近年、柔軟な働き方として注目を集める「スキマバイト」。単発・短時間で働ける手軽さから、副業や空き時間の有効活用として多くの人々が利用しています。しかし、その現場は多種多様で、「当たり」もあれば「外れ」もあるのが実情です。

本記事では、これまで70カ所以上ものスキマバイトを経験してきたライターが、数ある現場の中で「ナンバーワン」と感じた“神現場”の具体的な体験をレポートします。その舞台となったのは、川崎のソウルフードとして名高いラーメンチェーン「元祖ニュータンタンメン本舗」。勤務前のきめ細やかな配慮から、店長との心温まる交流、そして店舗運営の意外な裏側まで、スキマバイトの常識を覆すような感動の体験をお届けします。

勤務前の“神対応”に感動!清潔な制服と「ペットボトル飲料」の差し入れ

氷河期世代の40代である筆者が昨年、偶然見つけたのが元祖ニュータンタンメン本舗でのスキマバイトでした。以前、プライベートで味わったタンタンメンの美味しさが忘れられず、今回は「まかない(従業員向け無料食事)」への期待を胸にエントリー。当日夜の募集を見つけ、迷わず応募しました。

指定された時間に店舗へ到着すると、男性の店長さんが温かく出迎えてくれました。まず驚いたのは、用意されていた制服がきちんとクリーニングされ、シワ一つない状態だったことです。普段、多くのスキマバイト現場では、いつ洗濯されたか分からないようなヨレヨレの制服が提供されることも珍しくありません。この一点だけでも、現場の丁寧な姿勢が伝わり、筆者は深い感謝の気持ちを抱きました。

さらに、厨房での業務説明の際、店長さんは筆者を「タイミーさん」というアプリでの呼称ではなく、きちんと名前で呼んでくださったのです。この細やかな気配りも非常に好印象でした。そして極めつけは、「このドリンク、どれか1本、選んで飲んでください。水分補給してくださいね」と、冷蔵庫からペットボトルのお茶、水、コーヒーを差し出してくれたことでした。これまでの現場では、勤務中の水分補給としてコップに入った水道水が提供されるのが一般的です。まさかペットボトル飲料を無料でいただけるなんて、これは本当に初めての経験で、筆者はこの時点でこの現場が“神現場”であることを確信し、ありがたくお茶をいただきました。

元祖ニュータンタンメン本舗で提供されるような、熱々で美味しそうなタンタンメンのイメージ。スキマバイト中のまかないが期待されるラーメンの写真。元祖ニュータンタンメン本舗で提供されるような、熱々で美味しそうなタンタンメンのイメージ。スキマバイト中のまかないが期待されるラーメンの写真。

スムーズな業務説明と「タンタンメンの秘密」

今回の筆者の主な仕事は、お客様が食事を終えた後の食器下げと洗い物でした。具体的には、使用済み食器を下げ、テーブルをアルコールスプレーで拭く作業、そして下げた食器の食べ残しを捨て、軽く下洗いしてから食洗機へ投入する作業です。食洗機で洗い上がった食器は、種類ごとに仕分けして積んでおけば、店長や他のアルバイトスタッフが随時片付けてくれるという流れでした。

店長さんは、単に作業手順を伝えるだけでなく、「ニュータンタンメンはニンニクや唐辛子、ひき肉など細かい食材がたくさん入っているので、スープをそのままシンクに流すとすぐに流しが詰まっちゃうんです。なので、スープはシンク脇のネットのところに流してくださいね」と、業務上必要なことの理由まで丁寧に説明してくれました。おかげで非常に分かりやすく、安心して業務に取り掛かることができました。

この日は日曜日夜でしたが、来店客数は「常に客席の3分の2程度が埋まっている」という、忙しすぎず閑散としすぎないちょうど良いペースで推移しました。片付けも食器洗いも滞りなくこなせ、作業は順調に進みました。仕事に慣れてくると自然と調子も出てきて、お客様が来店されるたびに「いらっしゃいませー!」と積極的に声を出せるようになりました。すると店長さんから「おお、いい声出しですね!」と褒めていただき、それがまた働く喜びにつながりました。

店長が明かした「元祖ニュータンタンメン本舗」の知られざる内情

この店長さんは、実はおしゃべり好きな方で、ちょくちょく筆者に声をかけてくれました。「ニュータンタンメン、食べたことありますか?どこのお店ですか?ああ、あそこかー。それだったらうちの方がうまいと思いますよ。あとでまかない、出すんで比べてみてくださいね!」など、楽しい会話が弾む中で、筆者は元祖ニュータンタンメン本舗の「裏側」ともいえる内情についてお聞きすることができました。

驚いたことに、元祖ニュータンタンメン本舗は、店舗ごとにかなりの「自由度」が与えられているのだそうです。それぞれの裁量でメニューやトッピングなど、オリジナルのものを開発・提供できる権限があるとのこと。そして、この店長さん自身もその自由度の高さに魅力を感じており、自ら様々な工夫を重ねて、この店舗独自の味やメニューを作り上げているのだとか。

これまで知る由もなかった元祖ニュータンタンメン本舗の興味深い秘密を伺いながら、勤務後に待っているまかないが、ますます楽しみになってきました。今回のスキマバイトは、単なる労働対価としてのお金だけでなく、人との温かい交流や、普段知ることのない業界の「秘密」まで教えてくれる、まさにかけがえのない体験となりました。

まとめ

今回の元祖ニュータンタンメン本舗でのスキマバイト体験は、単なる労働を超えた「神現場」と呼ぶにふさわしいものでした。勤務前のきめ細やかな準備、社員の呼称への配慮、予想外のペットボトル飲料の提供など、その一つ一つが働く人々への深い敬意と心遣いを感じさせるものでした。

また、丁寧な業務説明と、店長とのフランクな会話から垣間見えた「元祖ニュータンタンメン本舗」の店舗ごとの自由度という意外な内情は、この仕事への理解を深めるだけでなく、働くことの楽しさや発見の喜びを改めて教えてくれました。この経験は、スキマバイトが単なる収入源ではなく、新しい出会いや学びの場となり得ることを強く示唆しています。

参考資料