当時7歳、米軍から逃れて入ったガマを出る姿を写真に撮られた「沖縄の少年」が…戦後80年、時を越えて同じ場所で撮られた“少年の現在の姿”


【画像】沖縄戦の白黒写真に写った7歳の少年の“現在の姿”は…同じ場所で撮られた過去と現在の写真を見比べる

 80年前の8月14日、日本はポツダム宣言を受諾し、太平洋戦争が終結した。しかし、沖縄だけは15日以降も戦闘状態が続き、正式に降伏調印式が執行されたのは9月7日のことだった。さらにその後27年の間、アメリカの統治下に置かれ続けることになる。

 大阪市在住のホリーニョさん( @horinyo )は、沖縄戦に巻き込まれた住民たちの白黒写真をカラー化してSNSに投稿し続けている。今年2月28日にはそれらをまとめた『 カラー化写真で見る沖縄 』(ボーダーインク)を出版。平日は会社員として働きながら、本を広めるために各地を巡っている。

 そんなホリーニョさんに、実際に写真に写っている方と対面した経緯、沖縄の女子中学生から届いた嬉しいコメント、一般家庭の思い出写真をカラー化する新しい活動などについて詳しく伺った。(全2回の2回目/ 最初から読む )

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80年の時を越えた“まさかの対面”

ホリーニョ この写真の中央に写っている、当時7歳の少年だった山内輝信さんにお会いしてお話しする機会をいただきました。

 これは1945年4月に恩納村で撮られたもので、米軍から逃げるため身を潜めていたガマから出てきた住民の方々の写真です。山内さんは現在も恩納村に住んでおられて、NHK沖縄の企画でお会いしに行きました。まさか当時の白黒写真に写っているご存命の方とお会いできるとは思っていなくて、自分としては少し勇気も必要だったんですけど、貴重な機会だということで。

――山内さんとお話しされてどうでしたか。

ホリーニョ ご経験を丁寧に話していただきました。恩納村は米軍と日本軍の激しい戦闘が無く、すぐに占領された地域だったので、山内さんご自身は怪我したり亡くなったりする方がいるような酷い状況にはあまり遭遇しなかったとおっしゃっていました。そんな中でも壕に逃げ込んで運命的に生き延びた……というご経験もされたそうです。

 子どものころ海で取った魚が美味しかったとか、沖縄の自然の中で工夫して遊んだ話なども沢山伺いました。そういった戦前のお話は、僕の世代の子ども時代の体験と共通するものもあるんだなと感じましたね。



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