ふかわりょう、高市首相の「トランプ氏ノーベル賞推薦」に疑問呈す – SNSで賛否両論

10月29日、タレントのふかわりょう氏が情報番組『ひるおび』(TBS系)に出演し、高市早苗首相と来日中の米トランプ大統領(当時)とのやり取りに関する自身の見解を表明しました。特に高市首相がトランプ氏をノーベル平和賞に推薦する方針を示したことに対し、ふかわ氏が発したコメントが大きな反響を呼び、SNS上では賛否さまざまな意見が飛び交っています。

テレビ番組『ひるおび』で高市早苗首相の外交姿勢についてコメントするタレントのふかわりょう氏テレビ番組『ひるおび』で高市早苗首相の外交姿勢についてコメントするタレントのふかわりょう氏

トランプ氏のノーベル平和賞への強い意欲と過去の推薦

ドナルド・トランプ大統領(当時)は、これまで公にノーベル平和賞への強い受賞意欲を表明してきました。2020年7月にはノルウェーの財務相に対し、受賞を「おねだり」したと報じられています。さらに、ノーベル平和賞発表前日の10月9日には、「歴史上、9カ月で8つの戦争を解決した者は私以外、誰もいない」と発言し、改めて自身の功績を強くアピールし、世界中で注目を集めました。

ノーベル賞は、単に「欲しい」と表明すれば受賞できるものではないものの、このようなトランプ氏の姿勢を受け、日本の安倍晋三元首相も2019年にノルウェーの国会へ推薦状を送っていたことが判明しています。

高市首相の「トランプファースト」外交戦略

こうした背景の中、高市早苗首相も2020年10月28日の日米首脳会談において、「日本としてトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦する方針だ」と明確に打ち出しました。このノーベル平和賞推薦の表明に加え、高市首相は安倍元首相が愛用していたパターを贈呈したり、昼食会で米国産のコメや米国産ビーフを提供したりする、「トランプファースト」とも言える徹底したおもてなしの姿勢を見せました。また、米軍横須賀基地へも大統領専用ヘリコプターで一緒に移動するなど、トランプ氏との緊密な関係構築を図る姿が報じられています。

ふかわりょうの複雑な分析とSNSの反響

高市首相の一連の外交姿勢について、『ひるおび』でふかわりょう氏は自身の見解を述べました。ふかわ氏はまず、高市首相の戦略について「高市さんは懐に入ることがまず大事かなと思います。その後でちゃんと主張すべきところは主張するという順番なんでしょう」と、相手の懐に入る外交術として一定の理解を示しました。

しかし、ノーベル平和賞推薦という点については、「トランプ大統領の世界的な立ち位置から見て、ノーベル平和賞というところまではちょっとサービスしすぎかな。イスラエル、パレスチナに対するものや温暖化、そういうところの世界的な振る舞いを見ると、ちょっとおだてすぎたかなとは思います」と疑問を呈しました。世界的な課題に対するトランプ氏のこれまでの行動を考慮すると、ノーベル平和賞への推薦は「度を超えた配慮ではないか」という複雑な分析です。

このふかわ氏のコメントは、SNS(特にX)で瞬く間に拡散され、大きな反響を呼びました。《きちんと自分の思いを伝えるふかわりょうさんは素敵だと思います》《冷静だけど刺さるコメントするよな。まさに的を射てる分析》といった賛同意見が寄せられる一方で、《今後ふかわりょうは高市に批判的だとメディアから遠ざけられるかも知れません》《悲しいけどふかわりょうも干されるんだろうな》など、政治家への批判的な発言が彼のメディア活動に影響するのではないかと心配する声も多数見受けられました。

結論

高市早苗首相によるトランプ大統領へのノーベル平和賞推薦方針を含む一連の外交戦略は、日本の国際関係における戦略的な動きとして注目される一方で、その是非については様々な議論を巻き起こしています。ふかわりょう氏の客観的かつ批判的なコメントがSNSで賛否を呼んだことは、この問題への社会的な関心の高さを浮き彫りにしています。歴史がこの「高市外交」をどのように評価するのか、今後の展開が注目されます。

参考文献