その昔、昼休みに同僚とダイエットの話をしていたときのことだ。どこからともなくおじさん上司がやってきて、得意げにこんなダジャレを言って去っていった。
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「太ってスカートのボタンが吹っ飛んだー……いや、ふっとったー? あははは」
はいはい、言い直さなくても聞こえてます。しかも自分で大笑いしてどうする。聞いてしまったほうはスルーしても地獄、突っ込んでも地獄。「んもう課長ったら」などと手練手管のスナックのママのようにいなすしか手はないわけで。
そんなおやじギャグが普通に飛び交う昭和な場面に、リアルタイムで何度も遭遇したことがある。さしずめ今ならセクハラ、パワハラにギャグハラ(笑いを強要するハラスメント)までついて大変なことになるだろうが、そこまでいわれないにしても昔からおやじのギャグは、ちょっと困った存在ではあった。
ところが、そのおやじギャグの代表選手であるダジャレが、令和の時代になってまさかの注目を浴びている。それも愛用しているのは、Z世代の人たちが多いとか。そんな新時代のダジャレを「ネオダジャレ」と名づけて研究しているのが、博報堂生活総合研究所だ。
きっかけは、30代の研究員・植村桃子さんがSNSなどで見かけるようになったこんな言葉だった。
■「やばたにえん」
「『了解!』のひと言ですむところを『了解道中膝栗毛』などとわざわざダジャレにしてSNSなどに流してくる同年代が増えてきた。ダジャレがアップデートされていると感じ、ネオダジャレと名づけて調査を始めました」
そうして今年2月、各年代にダジャレについての意識を聞いたところ、「3カ月以内にダジャレを見聞きしたり、使用したりしたことのある人」が一番多かったのは20代(20.6%)。もっとも少なかったのは60代(14.8%)という結果に。
要は、かつておやじギャグとしてのダジャレが身近にあった世代が「ダジャレってなんですか?」と言わんばかりに他人のふりをしている一方で、おやじギャグを知らない世代では、新しい言葉遊びとしてダジャレが定着しつつある状況が見えてきた。
では、どんなダジャレが使われているのか。同研究所が、20代の若者を対象に聞いたことや使ったことがあるダジャレを調査すると、43.9%でトップに躍り出たのは、「やばたにえん」だった。そもそも「ヤバい」の変化形で「やばたん」という言葉があったが、これをさらに変化させて、微妙に音が似ている企業名と引っかけたのが、「やばたにえん」の由来と言われている。





