定年が近づくと深刻さを増す中高年男性の「友達がいない」問題…東京のほうが酷いという“逆”地域格差を指摘する声も


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共感しかない

 定年退職後の男性は、現役時代、あまりにも会社にすべてを捧げてしまったため、その後の人生において、コミュニケーション力に乏しく、身内や他者に依存する、というイメージで語られがちだ。その点、女性は、地域でもコミュニティを作ったり、サークルや友人関係、はたまたパートなどもあり、楽しく忙しい人生を送っているという対比で語られることも多い。

 朝日新聞の佐藤氏は、こうした状況がいずれ自分にも到来するのではないか、と危惧し、同じ境遇になるかもしれない同世代の男性諸氏に向けて、この原稿を書いたのだろう。それは、50歳を過ぎた男性は長過ぎる人生の後半で、寂寥感を抱かず、「自分は社会・コミュニティから必要とされているし、嫌われていない」と自他ともに認める65歳以上になる準備を一緒にしましょう! という決意の表れであり、同じ境遇の読者への呼びかけでもあるのだろう。

 現在私は52歳だが、佐藤氏の気持ちには共感しかない。というのも、私が新卒で入った会社の同期は、これから役員になる者はいるだろうが、それ以外の多くは「窓際族」的になる可能性が高い。いや、既になっている者もいるはずだ。男の場合、コレが実にキツいのだ。若手が忙しく働いているのを横目で見て、自分は「情報収集だから」とネットサーフィンをしたり、新聞を読んだりしている。会議にお呼びはかからず、出先を示すホワイトボードは自分だけ行き先が書かれていない。



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