日本を動かす官僚の街・霞が関から“マル秘”情報をお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「 霞が関コンフィデンシャル 」。最新号から、ダイジェストで紹介します。
【画像】各省庁出身の秘書官を束ねる前経産事務次官の飯田祐二氏
◆◆◆
新秘書官は強者揃い
高い内閣支持率でスタートした高市早苗首相を支える秘書官の布陣は強力だ。日本維新の会との連携を強く意識し、来年の通常国会をにらみ、政権を安定軌道に乗せようとしている。
各省庁出身の秘書官を束ねるのは、前経産事務次官の飯田祐二氏(昭和63年、旧通産省入省)。首相は当初、安倍晋三首相の懐刀だった今井尚哉氏(57年、同)に白羽の矢を立てたが、今井氏は辞退して内閣官房参与に就き、飯田氏を強く推薦した。
飯田氏は「おおらかでざっくばらんな人柄。他省庁幹部や自民党商工族の大物とも気さくに付き合い、人脈は広い」(経産省幹部)と、官邸中枢で霞が関を指揮するにはうってつけの人材だ。大阪・関西万博の準備の遅れを取り戻し、成功に導いたのは「飯田氏の行動力があってこそ」(同前)と評価されている。
財務省は平成5年入省組のエースで主計局次長だった吉野維一郎氏(旧大蔵省)を投入した。「単独で潜行し政治サイドと折衝するのが得意。時間をかけても必ず任務を遂行する」(主計局幹部)との評判通り維新の遠藤敬国対委員長と腹蔵なく付き合い、2025年度政府予算を成立させた実績がある。岸田文雄首相の時代に秘書官候補になったことがあったが、「当時の次官が手放さなかった」(内閣官房筋)。自維の連立合意でも水面下で動いた。「両党の政策合意を読めば吉野氏の関与は明らかだ」(閣僚経験者)という。若手の頃から「行動力、発想力とも際立っていた」(元事務次官)とされ、社会保障担当の主計官や秘書課長を務めた。財務省と距離を置き、積極財政を唱えてきた首相と正面から向き合う覚悟で官邸入りした。
〈 この続き では、経産省、厚労省、外務省から選抜された秘書官について言及しています〉
※本記事の全文(約4500字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2025年12月号に掲載されています( 霞が関コンフィデンシャル )。全文では下記の内容をお読みいただけます。
★奇貨居くべしの財務省
振り返れば、石破茂政権下では、官邸が政策や政局を主導する場面はめっきりと減った。官邸機能弱体化の一因が、スタッフの層の薄さだった。高市氏も石破氏と同様…
★まさかの復活劇
外交・安全保障政策の司令塔たる「国家安全保障局」(NSS)トップだった岡野正敬前局長(昭和62年、外務省)の突然の退任も驚きをもって受け止められた。新局長に就いたのは…
★治安対策で白羽の矢
官房副長官人事でも大きなサプライズがあった。警察庁長官を今年1月に退官した露木康浩氏(昭和61年、警察庁)が、10月21日付で事務担当の官房副長官に就任した。前任の総務省出身の…
「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2025年12月号






