議員定数削減で日本の政治は良くなるのか?国民が持つ大きな誤解、比例区削減を望んでいるのか


 今のところ、高市首相は国会答弁全般で保守色を鮮明に出すことはせず、安全運転に徹しているように見える。定数削減問題についても今の国会で成立させるとまでは言っていない。

 しかしこれは日本維新の会にとっては連立の意義の根幹に触れる問題であり、引くわけにはいかない。議員定数削減問題は今国会の最大の焦点となり得る。衆議院の比例区を中心に定数を減らすことになると少数勢力は壊滅する恐れがあり、強い抵抗が予想される。

 国民は一般に「議員定数を減らすのは良いことだ」と思いがちだが、今の小選挙区・比例代表併用の制度のもとでは、減らし方によっては副作用が強すぎて議会制民主主義にとってマイナスとなる可能性もあり、慎重な判断が必要だ。

国民はなぜ、議員定数削減を支持するのか

 これらの声は国民の共感を呼ぶ。しかし議員定数を減らしたからといって政治資金をめぐる不祥事や不道徳な事件、役に立たない議員がなくなる保証はない。議会経費を削減するには定数削減以外に歳費のカットや特典の廃止などさまざまな方法がある。

 真っ先に行うべきは透明性を高める議論である。それをしないで定数削減の議論をしても国民の政治不信は解決しない。問題が繰り返されるだけだ。

 議員定数削減の議論をするためには、定着していた中選挙区制がなぜ廃止されて「小選挙区比例代表並立制」が1996年の衆院選から導入されたか、という問題にさかのぼらなければならない。



Source link