「自分が原因だとは思っていない」大声で叱責され涙を流した15歳の男子中学生が直後に自殺…女性教師が法廷で口にした“異様すぎる感覚”とは


【写真】追い詰められて自ら命を絶ったサトルさん。バスケ部や釣りなど活発な男子だった

 2018年9月の夏休みが明けた初日、鹿児島市の中学3年生だったサトルさん(仮名、当時15歳)が自宅で自殺した。母親のアカネさん(仮名)は、担任で保健体育担当の女性教諭Zの「怒鳴り声をあげる」「進路に関する不安をあおる」などの指導が不適切だったとして、市を相手に約6580万円の賠償を求める訴訟を起こした。

 10月に鹿児島地裁で行われた証人尋問に、Z教諭は短髪に紺色のスーツ、襟が白い青のワイシャツ姿で登場。「毅然とした指導だと思った」「自分が原因とは思ってない」と一貫して自らの責任を否定。満席の傍聴席がざわつく場面もあった。

 サトルさんは中学3年の夏休み明け初日、宿題を提出できず担任のZ教諭から大声で叱責を受けた。

 その日サトルさんが提出できなかった宿題は以下の5つだ。

(1)数学のプリント集、(2)保健体育の「体話」(親子で取り組むストレッチ)、(3)高校の体験入学についてまとめた「特別活動の調べ」、(4)標語、(5)夏休みのしおり

 このほかに通知表も、保護者のコメントを記入してもらって提出することになっていたが、サトルさんはいずれも提出しなかった。Z教諭は「普段は忘れることはないのでとても驚いた」と話した。

 午後1時15分ごろ、帰りの会の最後にZ教諭は「忘れ物をした生徒が複数名いる。教卓に来なさい」と言った。そしてサトルさんを含む6人に対して、宿題をいつ提出するのかを尋ねた。サトルさんは数学のプリント集を紛失したことなどを伝えたが、Z教諭は「今日が締め切りだから、今日提出するように」と指導した。

「提出物を出さなかったら本人のためにならない」

「このときの声の大きさは、1回目(の注意)は大きくはなかった。2回目は6人を集めたときですが、10段階で『6』くらいでした」

 続けてZ教諭は、「提出物を出さなかったら本人のためにならない。その日中の提出かどうかは決めていない」と、当日中の提出を命じたことを否定した。

 その後、サトルさんともう1人の生徒だけが個別指導として学年職員室に呼び出された。その際、サトルさんに対してもう1人の生徒よりも厳しい態度で接している。

「〇さん(もう1人の生徒)はいつも忘れる状態と比べれば、出している方だと思い、大声を出していない。(よく宿題を忘れるので)諦めモードということもあった。『もう、またなのね』という感じだった」

 もう1人の生徒への指導が終わった後、青ざめた表情で立ったままのサトルさんに対して、椅子に座った状態のZ教諭による指導が始まった。



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