11月13日、安倍晋三元総理の殺害容疑で起訴された山上徹也被告(45)の公判に、弁護側の証人として彼の母親が出廷する。
【写真を見る】宗教にのめり込んだ山上被告の母の現在。ネグレクトされて育った山上被告の姿も
既に多数報じられているように、山上被告の母は、夫(山上被告の父)の自死や長男(同兄)の病気・障害など“身内の不幸”の影響で旧統一教会に入信。1億円を超える財産を寄付する一方、家庭を顧みず、子を凄惨な「ネグレクト」の状態に置いたとされ、後に長男も自ら命を絶つことに。山上被告はこうした境遇もあって教団への恨みを募らせ、つながりが深いと言われた安倍元首相を銃撃したと見られており、彼自身も警察の取り調べにそう供述している。
被告側は起訴事実を争っていないため、10月28日から始まった裁判で焦点となっているのは、彼が抱えた上記のような「家庭の問題」がどの程度量刑に反映されるかということだ。弁護側は家庭環境が事件に与えた影響の大きさを強調し、判決への“考慮”を求める見通しであり、そのための重要な証言者が家庭崩壊の原因を作った被告の母親なのである。
一方で、彼女は事件後も旧統一教会の信仰を捨てておらず、息子である山上被告と手紙のやり取りをしているものの、面会は拒否されていると報道されている。
果たして彼女は公判でどのような証言を行うのか。「週刊新潮」では2年前の2023年夏、裁判の公判前整理手続きが始まる前のタイミングで彼女に取材を行っている。そこで吐露された彼女の“心のうち”とは。そして、事件後の彼女の生活ぶりや裁判への思いは一体、どのようなものだったのか。
(以下は、「週刊新潮」2023年7月13日号記事を一部加筆修正の上で、再録したものです。年齢や肩書などは記事掲載当時のままです)
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山上被告の母親は70歳。奈良県内のアパートで息を潜めるようにして、猫1匹と暮らしている。自転車で近所のスーパーに行き、食材や猫砂などのペット用品を買い求めたりする以外、外出することはほとんどない。
母親が人目を避けて暮らす一方で、拘置所にいる息子には支援者やファンがつき、それが騒ぎに発展することさえある。
さる6月12日、奈良地裁に不審な段ボール箱が届いた。中身は山上被告の減刑を求める嘆願署名だったことが後にわかるが、なぜか金属探知機が反応。その日は山上被告本人が公判前整理手続きに参加する予定だったところ、直前で急きょ中止された。
本誌(「週刊新潮」)は彼女に接触。いま何を思っているのか。






