高市政権の発足以来、国会中継への国民の関心が高まっています。特に先日、11月12日に開催された参議院予算委員会では、国民民主党の榛葉賀津也幹事長(58)が高市早苗総理(64)に対し、突然「連想クイズ」を出題する異例の場面がありました。この質疑はSNSでも大きな話題となり、国会論戦の新たな形として注目を集めています。国民の代表者が繰り広げる議論は、時に硬いイメージを持たれがちですが、このようなユニークなアプローチが、政治への関心を深めるきっかけとなるでしょう。
榛葉幹事長の「連想クイズ」が示す防衛予算の新視点
榛葉幹事長は、防衛体制の強化と研究開発費に関する議論の中で、高市総理に次のような問いを投げかけました。「電子レンジ、サランラップ、缶詰、ボールペン、腕時計、生理用ナプキン、GPS、パソコン、自動ドア、携帯電話、3Dプリンター。これらの共通点は何ですか?」この唐突なクイズに対し、高市総理は間髪入れずに「軍事産業でございます」と即答し、その知識の深さを示しました。
参院予算委員会で国民民主党の榛葉賀津也幹事長の質問を聞く高市早苗首相
榛葉幹事長はさらに、「我々の身の回りにある長靴も、レインコートも、懐中電灯も、すべて軍事用品からのスピンオフです。つまり、もう民と軍の境がなくなって、デュアルユース(軍民両用)になっているんです」と説明しました。そして、防衛予算は単に「恐ろしい戦争のための予算」ではなく、様々な開発を通じて国の成長戦略や発展に貢献するものであると強調。防衛省がその先頭に立つべきだとの決意を求めました。この新たな視点は、国民が防衛予算をより多角的に理解する上で重要なメッセージとなります。回答を促された小泉進次郎防衛相(44)は、「エールをいただいたと捉えています。安全保障の状況を共有した上で、防衛力の強化にご理解をいただけるよう丁寧に説明していきたい」と応じ、前向きな姿勢を示しました。
国民の関心を集める国会論戦の進化
この榛葉幹事長の「連想クイズ」は、X(旧Twitter)などのSNSで大きな反響を呼びました。「急にクイズ出したのかと思ったら先が合ったのね」「榛葉さんのクイズは意味がある」「高市総理も即回答しており、いい質疑となっている印象。クイズとしてもなかなか練られてるのも良き」といった賞賛の声が多数寄せられました。
政治部記者のコメントによると、予算委員会ではフリップを使ったクイズが頻繁に出題されることがあり、12日にも立憲民主党の蓮舫参院議員(57)が「自民党の地方支部はいくつありますか」と高市総理に質問を投げかける一幕もありました。しかし、榛葉幹事長のクイズは答弁の流れに沿っており、その意外性も相まって好意的に受け止められたようです。また、榛葉幹事長はリップサービスに長け、コミュニケーション能力が高いことでも知られています。この日は冒頭で、「高市総理と片山さつき財務相(66)のコンビは『最強コンビ』ではなく『最恐コンビ』と恐れられているがどう思うか」と質問したり、小泉防衛相に「大臣、なかなか力強いね。いいよ」と声をかけたりと、笑いを誘う場面も多く見られました。これは、場を盛り上げ、より多くの国民の注目を集めるための戦略的な工夫であるとも考えられます。
「良問」を通じて国会への注目が集まることは、民主主義の活性化に繋がります。政治家が国民に分かりやすく、かつ深くメッセージを伝えるための新しい試みとして、このような工夫は今後も期待されるでしょう。今回の「連想クイズ」は、単なるエンターテイメントではなく、政策の深い理解と国民との対話を促進する上で、非常に効果的な手法となり得ることが示された一例と言えます。




