高市内閣下でも米価は高止まりか?農水省の「農家儲け主義」が招く食料安全保障の危機

高市早苗首相が物価高対策を掲げる中、日本の食卓に欠かせない米の価格は依然として高止まりの様相を呈しています。キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は、農林水産省の一貫した「農家所得向上」政策が、結果的に農業の衰退と国民の食料安全保障の危機を招いていると警鐘を鳴らしています。残念ながら、高市内閣においてもこの方針が踏襲されていると指摘されており、消費者にとっては深刻な問題です。

農水省の「稼がせる」使命と農林族議員の本音

鈴木憲和農林水産相が任命された際、高市首相から「稼いでね。稼げるようにしてね。稼がなきゃだめよ、稼ぐのよ! じゃあ、あとよろしく」と強く指示されたと、地元で明らかにしました。この発言は、高市首相や鈴木農水相が、農水省の使命を「農家を儲けさせること」と考えている実態を浮き彫りにしています。山下氏の指摘通り、農水省はまるで農業界の霞が関出張所のようであり、国民や消費者への食料の安定供給が二の次にされているのが現状です。

衆参両院の農林水産委員会では、与野党問わず農業保護の必要性が語られ、「米価は高ければ高いほど良い」という主張が支配的です。これは、選挙における農家票を意識した農林族議員の本音であり、鈴木農水相が農家の多い山形県で本音を漏らしたことからも伺えます。

2027年国際園芸博覧会起工式で記念撮影する高市早苗首相と鈴木憲和農林水産相2027年国際園芸博覧会起工式で記念撮影する高市早苗首相と鈴木憲和農林水産相

消費者軽視の農政:市場介入のダブルスタンダード

米価が低い場合には農業界が対策を強く訴え、農水省もこれに応じる一方で、米価が高騰して消費者が困窮しても、農水省は「マーケットには介入しない」と平然と答えるというダブルスタンダードが存在します。この生産者寄りの姿勢は、過去にも批判の的となってきました。

2001年にBSE(狂牛病)が国内で発生した際、農水省はその過度な農家寄り姿勢を厳しく批判され、当時の武部勤農水相は「消費者に軸足を置いた農政」への転換を宣言しました。しかし、BSE問題が収束すると、農政はあっという間に元の「生産者に軸足を置いた農政」へと逆戻りしてしまいました。この体質は容易には変えられない根深い問題であり、国民の食料安全保障に対する危機感を一層高めています。

結論

高市内閣の下でも米価高止まりが続く背景には、農林水産省と農林族議員による根強い「生産者中心主義」が存在します。農家の所得向上は重要であるものの、それが国民全体の食料安定供給や食料安全保障を犠牲にしてはなりません。BSE問題からの教訓が生かされず、市場介入のダブルスタンダードが放置される現状は、日本の食料政策が根本的な見直しを迫られていることを示唆しています。持続可能で、かつ消費者の視点に立った農政への転換が急務と言えるでしょう。

出典リンク: https://news.yahoo.co.jp/articles/132e0397f1c699b47cdf9d3d2518b7033ff35065