人間誰しも、愚痴を聞いてほしいときもあれば、喜びを分かち合いたいときもある。それは学校の教員も同じだ。つらい経験に共感したり、笑い話にほっこりしたり、はたまた、成功体験をシェアしたり――、そんな学校現場の知られざる「リアル」をお届けしていく。
今回話を聞いたのは、看護学校の教員をしている早川真里さん(仮名)。教員として成長すべく、先進的な教育を実践していると評判の看護学校に転職したものの、がっかりすることが続き「希望も夢も崩れてしまった」と話す。いったい何があったのか。
【エピソード募集中】本連載「教員のリアル」では、学校現場の経験を語っていただける方を募集しております(記事は仮名、詳細は個別取材)。こちらのフォームからご記入ください。
<プロフィール>
投稿者:早川真里(仮名)
年齢:40代
勤務先:看護専門学校
介護福祉士から看護師へとキャリアチェンジ
早川さんが看護の世界に入ったのは、決して早いタイミングではなかった。
もともとは介護施設で働きながら介護福祉士として働いていた早川さん。10年以上にわたって介護の仕事をしたが、経験を積めば積むほど、ジレンマを感じるようになったという。
「介護施設の利用者の中には、体調の急変で突然倒れる方がいます。でも、一刻を争う状況であっても、介護福祉士には医療行為を行うことが認められていません。看護師の方が対応するのを目の当たりにして、私も同じことができたらと思うようになりました」
急速に高齢化が進む中、「これからの介護は医療の知識が必要になる」とかねて感じていたという早川さんは、一念発起して看護師資格の取得を目指すことにした。
社会人が看護師資格を得る方法はいくつかあるが、早川さんが選んだのは准看護学校と看護師学校養成所2年課程で学ぶルート。准看護学校で准看護師資格を取得したのち、准看護師として病院に勤務しながら学ぶため、働きながら最短で看護師になることができる。
特に看護師学校養成所2年課程では、フルタイムで勤務したのち、夜間に授業を受けるため「結構大変でした」と早川さんは振り返るが、その成果は大きかった。
「やはり医療の知識を得ると、介護をしていても全く違います。何らかの症状が出たときも、どんな状態なのか見極めができるようになりますし、普段どんな薬を服用しているのかといったことにも細かく目配りができます」
できることが増えただけでなく、医療の知識を身に付けたことで見え方も変わってくる。病気や症状についての解像度が高まることで、早川さん自身も世界が広がった感覚があったようだ。
「看護の世界を知ったことで、これまでわからなかったことがどんどんクリアになっていきました。わかることが増えるのはやはり楽しいです。看護学校の教員になってからは、そうした楽しさや看護の面白さを伝えたいという思いを強く持っています」






