2008年11月27日、師走を目前に控えた三重県松阪市のショッピングセンター「M」で、日本全国を震撼させる大事件が発生しました。施設内の店舗に供給されるすべての水を貯蔵する受水槽から、一人の男性の遺体が発見されたのです。さらに衝撃的なのは、この男性が同月1日に行方不明になっており、約1ヶ月間もの間、遺体が受水槽内に浮遊していたという事実でした。スーパーマーケットや飲食店も入居し、週末には多くの客で賑わう大型商業施設で、「問題の水」が長期間にわたり使用されていたことは、利用客に大きな不安と動揺を与えました。当時の「週刊新潮」の記事を再編集し、この異例の事件を詳しく振り返ります。
事件の概要とその衝撃
この事件の舞台となったショッピングセンター「M」は、大手量販店イオンの100%子会社が運営する複合商業施設です。発見当時、男性の遺体は外部の検査業者が受水槽の天井が破損しているのを見つけ、中を覗き込んだ際に発覚しました。通報を受けた警察官立ち会いのもと、消防の救助隊によって遺体は引き揚げられました。
被害男性は46歳で、10月に家出をしており、家族から捜索願が出されていました。11月1日に女性と一緒に「M」を訪れたのを最後に、行方不明になっていたのです。警察は女性からの捜索依頼を受け、施設内から周辺の田畑に至るまで広範囲な捜索を行っていましたが、まさか受水槽の中にいるとは想像だにしませんでした。
三重県松阪市のショッピングセンター外観、受水槽事件現場
遺体発見までの経緯と詳細
警察の捜査によると、男性は高さ11メートルの非常階段の踊り場から飛び降り、合成樹脂製の受水槽の天井を突き破って槽内に落下し、溺死したと見られています。事件の背景には、受水槽の管理体制における問題も浮上しました。「M」は10月26日に受水槽の清掃と消毒を実施していましたが、その後の約1ヶ月間、天井の破損に全く気付かないまま運用が続けられていたのです。これは、定期的な点検体制の不備を指摘される要因となりました。
誤報と真実の解明
事件発生後、インターネット上では様々な情報が飛び交い、中には事実と異なる誤報も拡散されました。例えば、「遺体がドロドロに腐乱していた」「遺体が切断されていた」「受水槽内で首吊りをしていた」といった根も葉もない噂です。しかし、地元警察関係者によると、11月27日に遺体が見つかった際、男性の遺体はわずかに膨張していた程度で、普段着のままであったことが確認されています。
遺体の状態が比較的良好であった理由については、専門家からいくつかの見解が示されました。2008年11月は例年よりも寒い日が続き、外気温が低かったこと、そして受水槽内の水が常に流動しており、非常に冷たい状態が保たれていたことが挙げられます。これらの要因が複合的に作用し、遺体の腐乱が通常よりも抑制された可能性が高いとされています。これにより、インターネット上で拡散された多くの誤報が否定され、事件の真実が明らかになりました。
まとめ
三重県松阪市のショッピングセンター「M」で発生した受水槽内遺体発見事件は、公共施設の衛生管理と安全確認の重要性を改めて浮き彫りにしました。約1ヶ月間も遺体が存在する水が利用されていたという事実は、多くの人々に衝撃を与え、施設の利用者だけでなく、社会全体に大きな不安をもたらしました。本事件は、日頃からの徹底した点検と管理がいかに重要であるかを教訓として残しました。
参考文献:
- 週刊新潮 2008年12月18日号 (再編集版)
- Yahoo!ニュース: 約1カ月間も使われていた“問題の水” 平凡なショッピングセンターで大騒動に (https://news.yahoo.co.jp/articles/5174b6729e7cc760307290012f1383fedd9c52d3)





