参政党に内紛の波紋:梅村みずほ議員、ボードメンバー解任の背景と今後の行方

参政党内で突如として表面化した内紛が、政界に大きな波紋を広げています。中心にあるのは、参院議員の梅村みずほ氏(47)のボードメンバー(意思決定機関)解任。この決定は、党代表の神谷宗幣氏(48)によって11月26日の記者会見で発表されました。その背景には、同じくボードメンバーである豊田真由子政調会長補佐(51)を巡る週刊誌報道があり、党内の情報管理を巡る問題が浮上しています。この一連の騒動は、かつて「このハゲーー!」発言で世間を賑わせた豊田氏の「復活」を予感させると同時に、参政党の内部事情と今後の党運営に大きな注目が集まっています。

豊田真由子氏との確執が表面化:地下室使用を巡る対立

今回の騒動の発端は、11月25日の「文春オンライン」が報じた豊田真由子氏と梅村みずほ氏の間の確執です。報道によると、豊田氏が自身の執務スペースを党に打診した際、梅村氏が参議院議員会館の地下2階にある党の部屋を使用するよう勧めたことで、豊田氏が「私を地下に閉じ込めておく気か!」と激高したとされています。梅村氏自身も文春の取材に対し、「地下のイメージが悪かったかも」と答えており、両者の間に緊張関係があったことが伺えます。

神谷代表が下した「情報管理違反」の処分

神谷代表は今回の件で豊田氏ではなく、梅村氏に処分を下しました。会見で神谷氏は、「ボードメンバーの梅村みずほさんを解任いたしました。理由に関しては、党内の情報について、情報管理をしっかりするように注意していたが、ガイドラインどおりに行動されなかった」と説明。参政党の内規では、独断でマスコミの取材に応じることは禁じられており、梅村氏が週刊誌の取材に個人として応じたことが、このガイドラインに逸脱したと判断された模様です。神谷代表は、「犯人捜しをするつもりはないが、うわさ話のようなものが広がらないようにしないといけないと言っていたが、従ってもらえなかった」と、情報漏洩への強い警戒感を示しました。梅村氏も自身のX(旧Twitter)で、「週刊誌の取材に個人として応じガイドラインに逸脱してしまったことは大変不甲斐なく、また党員の皆さまをはじめ日頃から優しく温かく応援してくださっている皆さまや仲間たちにさぞご心配をおかけしただろうことを思うと胸が痛み、心よりお詫び申し上げる次第です」と謝罪文を投稿しています。

参院選で応援に駆け付けた参政党・神谷宗幣代表と梅村みずほ氏参院選で応援に駆け付けた参政党・神谷宗幣代表と梅村みずほ氏

参政党の歴史に刻まれた「内輪揉め」

今回の騒動は、参政党にとって初めての内紛ではありません。先の参院選で7議席を獲得し、国政政党として注目を集める参政党ですが、3年前の国政政党誕生時にも激しい内輪揉めがありました。当時、党員同士の批判合戦が表面化し、神谷氏、松田学氏、赤尾由美氏、吉野敏明氏、武田邦彦氏の間で対立が激化。最終的には代表の座が松田氏から神谷氏に移譲され、赤尾氏、吉野氏、武田氏が事実上、党を追われる形となりました。この一連の騒動は、参政党の創設期における不安定な党内事情を象徴する出来事として記憶されています。

権力集中と党内の警戒感:神谷氏の苦悩

永田町関係者によると、過去の内紛を教訓に、党の乗っ取りやクーデターを防ぐため、神谷氏に権力が集中された経緯があるといいます。意思決定は神谷氏ただ一人に委ねられ、「イケイケ」の勢いを見せる参政党内部では、おかしな動きをするメンバーがいないか疑心暗鬼になっている部分もあるとのこと。今回、神谷氏が特に警戒したのは、ごく限られた人しか知り得ない情報が外部に漏れた点です。梅村氏と豊田氏の2人の間で起きた出来事であるため、情報源として梅村氏が疑われているのが現状です。豊田氏が9月にボードメンバーに加わった当初から、「梅村氏と合わないのでは…」と危惧する声があったことも明かされています。

エリート豊田氏と叩き上げ梅村氏:性格と背景の衝突

豊田真由子氏は東京大学法学部から米ハーバード大学を経て、金融庁、そして衆院議員へと歩んだスーパーエリートです。彼女を知るメディア関係者は、「頭が良いのは認めるが、それを会話の節々に入れてくる。どんなに隠そうが『私はアナタたちとは違う』というオーラがにじみ出ている」と評しています。一方、梅村みずほ氏は立命館大学卒業後、旅行会社JTB勤務やタレント活動を経て2019年に政界入り。歯に衣着せぬ発言で物議を醸すこともありました。永田町関係者は、「梅村さんは党員人気が高いが、一人で突っ走ってしまう部分がある。性格的に豊田さんとは合うわけがない」と両者の性格的な不一致を指摘しています。梅村氏が維新を辞めた後に神谷氏に拾ってもらった恩義から、今回は「大人の対応」として一歩引いた形ではありますが、これで両者の関係が改善されるとは考えにくいという見方が強いです。

政治評論家が分析する騒動の行方と党勢拡大への影響

政治評論家の有馬晴海氏は、今回の騒動について本サイトの取材に対し、「自民党時代にいろいろあった豊田氏を入れたことに、神谷さんは『思い切ったことをしたな』と思いましたよ。党が大きくなるにつれて、政策理論構築のために彼女を必要としたのでしょう。実際にNHK『日曜討論』に豊田氏を出演させるなど、重宝している。豊田氏としては政策担当として下働きしながら、議員になるチャンスをうかがっているのでは」と分析しました。しかし、有馬氏は続けて、参政党が「独断でマスコミの取材に応じることは禁止」というルールを徹底することで、自由にマスコミと話せなくなる可能性を指摘。「これから全員野球で党勢を拡大していかなくてはならないときに、マスコミへの露出が減ることで勢いを失うことになりかねないのでは」と、今後の党勢拡大への影響に懸念を示しています。神谷代表が梅村氏の処分を「泣いて馬謖を斬った」と表現したように、飛ぶ鳥を落とす勢いの参政党ですが、個性豊かな議員たちを束ねる神谷氏の苦労は絶えないようです。

参政党、個性派議員を束ねる神谷代表の挑戦は続く

参政党内で発生した梅村みずほ議員のボードメンバー解任騒動は、単なる党内の一件に留まらず、党の運営体制、情報管理、そして今後の党勢拡大に大きな影響を与える可能性があります。豊田真由子氏との確執をきっかけに露呈した党内の緊張関係は、過去にも経験してきた「内輪揉め」の再燃を想起させます。神谷宗幣代表が、個性豊かな議員たちをどのようにまとめ上げ、党としての統一した方向性を示していくのか、その手腕が今後一層問われることになります。党の成長と安定のために、内部の対立を乗り越え、いかにして国民の信頼を勝ち得ていくかが、参政党の喫緊の課題と言えるでしょう。


参考文献: