愛子さまラオス訪問:心を繋ぐ民族衣装の深い意味

天皇、皇后両陛下の長女である愛子さまが11月にラオスを訪問された際、お召しになった民族衣装が、両国の文化交流を象徴する出来事として大きな注目を集めています。専門家は、この衣装の随所にラオス側の深い「おもてなしの心」が込められていたと指摘。中でも、愛子さまの装いが完璧な「ジャストサイズ」であったことは、多くの驚きを持って受け止められました。

愛子さまを包む「おもてなしの心」

初めてラオスを訪れた愛子さまは、民族衣装をまとい寺院を参拝されました。振り返るたびに、スカートの裾に織り込まれた色鮮やかな柄が日差しにきらめき、その優美な姿は人々の心を捉えました。寺院で着用された2着は、いずれもラオス人女性の正装であり、愛子さまのご希望の色を確認した上で、ラオス側が特別に準備したと報じられています。

ラオスの染織文化に詳しい龍谷大学教授の落合雪野さん(東南アジア研究)は、この衣装について「愛子さまに“間違いのない装い”をしていただきたいという、ラオス側の並々ならぬ配慮を、衣装の模様やデザイン、サイズ感から感じます」と語っています。
ラオスのパーニー国家副主席と面会する愛子さま。ビエンチャンの国家主席府にて。ラオスのパーニー国家副主席と面会する愛子さま。ビエンチャンの国家主席府にて。

ラオス伝統の「ふさわしい3点セット」

愛子さまがお召しになったのは、上衣の「スア」、巻きスカートの「シン」、そして肩に掛ける「パー・ビアン」の3点からなる本格的な伝統衣装です。1着目はクリーム色のスアに小豆色のシンとパー・ビアン、2着目はピンクのスアに紫のシンとパー・ビアンがコーディネートされていました。

落合教授によると、ラオスの女性たちは手織りのシルクの中からお気に入りの布を選び、スアやシン、パー・ビアンをオーダーメイドで仕立てることが一般的です。特に、緻密な模様が織り込まれたシン用の布は一つとして同じものがなく、上質なものになると完成までに数週間を要することもあるといいます。ラオス側は、伝統的な模様が施された最高級のシルクを選び抜き、熟練した職人に仕立てを依頼したのでしょう。その制作には相当な時間がかけられたと推測されます。

落合教授が特に注目したのは、この「3点をコーディネートした本格的な装い」でした。シンには手織りの絹布や木綿布が使われ、その種類によって普段着から学校の制服、あるいはオフィスウェアとしても着用されますが、今回のシンは明らかに上品なフォーマルウェアでした。また、パー・ビアンは宗教儀礼に不可欠な特別な肩掛け布で、シンとお揃いにすることで装いの格式が格段に高まります。

結びに

愛子さまがラオス訪問でお召しになった民族衣装は、単なる美しい装いにとどまらず、ラオス国民の温かい「おもてなしの心」と、両国間の文化的な絆を深める象徴となりました。細部にまで行き届いた配慮と、完璧なサイズ感の衣装は、言葉を超えた深い敬意と友情を伝え、国際親善の新たな一ページを刻んだと言えるでしょう。

参考文献

愛子さまの装いは両国の心の距離を縮める 振袖の上にパー・ビアンを重ねた“ミックス・スタイル”の愛子さま