芦屋の高級住宅街に変貌の兆し? 中国人富裕層が熱視線を送る理由

兵庫県芦屋市は、長らく「富豪が住み、豪邸が立ち並ぶ関西屈指の住宅街」というイメージを保ってきました。特に、「東洋一の住宅街」を目指して開発された六麓荘は、桁外れの富裕層が暮らす超高級住宅地として知られています。しかし、近年、この芦屋の様相が大きく変わりつつあるといいます。従来の富裕層に代わり、中国人富裕層が次々と移り住み、一部地域ではチャイナタウン化の兆候さえ見られます。一体、この高級住宅街で何が起きているのでしょうか。

芦屋・涼風町が中国人富裕層を惹きつける背景

芦屋市内でも海が見渡せる風光明媚な南芦屋浜の人工島にある涼風町が、今、中国人富裕層から大きな注目を集めています。その人気の秘密は、いくつかの要因が複合的に絡み合っています。発端は、日本在住20~30年で日本国籍も取得し、日本語も堪能な数名の中国人出身者が涼風町に住居を構えたことでした。彼らが友人や親戚を日本に招いた際、皆が口を揃えて「とてつもなく良い場所ではないか!」と驚いたそうです。

家から山が見え、美しい水辺が広がる涼風町の立地は、風水において最高の条件とされています。中国国内では、このような理想的な風水を持つ場所は非常に稀だと認識されています。中国で「きれいな海」といえばリゾート地に限定され、それ以外の海は汚れているため、人が暮らす場所ではないと考えるのが一般的だといいます。加えて、中国で「水」といえば主に湖を指し、山間部の湖畔に開発されるVIP向けの別荘地は、門番が常駐し、一戸あたりの販売価格が10億~20億円に達することも珍しくありません。北京や上海、深圳といった大都市近郊の別荘地では、この価格帯が一般的です。

兵庫県芦屋市のある町が中国人富裕層に大人気兵庫県芦屋市のある町が中国人富裕層に大人気

驚くべき価格差:芦屋の不動産は「格安」

涼風町が中国人富裕層にとって魅力的なもう一つの大きな理由は、その不動産価格にあります。中国の田舎の別荘地でさえ3億~5億円はするのに対し、中国人が涼風町の住宅を購入した当時の価格は、4000万~6000万円でした。理想的な環境にある住宅が、中国国内の5分の1から20分の1ほどの値段で手に入るとあって、彼らが驚くのも無理はありません。

さらに、涼風町の住宅は、パナホームや積水ハウスといった中国でもその名が知られた日本の有名企業によって建てられています。これらの日本企業に対する信頼度は、日本人以上に高いとも言われており、高品質な住まいを「手頃な価格」で手に入れられるという点が、中国人富裕層にとって大きな決め手となっています。彼らは、芦屋の不動産を文字通り「安い」と感じ、次々と買い漁る状況が生まれているのです。

まとめ

兵庫県芦屋市、特に涼風町における中国人富裕層の急速な増加は、単なる移住ブームを超え、地域の社会経済構造に変化をもたらしています。風水的に優れた立地、日本の高品質な住宅、そして何よりも中国国内の不動産価格と比較して圧倒的に「安い」という感覚が、彼らを芦屋へと引きつけています。この新たな動きは、芦屋が長年培ってきた「富豪の街」としてのイメージを維持しつつ、国際色豊かな高級住宅地へと変貌を遂げる可能性を示唆しています。