天皇皇后両陛下の長女、愛子さま（23）が初の海外公式訪問としてラオスを無事に終えられました。美しい民族衣装をたおやかに着こなされたお姿は、ラオスの人々に深い感銘を与え、そのご訪問は多くの人々の心を捉えました。本稿では、東京から直線距離にして4000キロ余り離れた東南アジアの地で、愛子さまが示された「おもてなし」の精神と、綿密な事前準備に焦点を当てます。
首都ビエンチャンの五つ星ホテル「クラウンプラザ」でのご滞在
愛子さまのご滞在先は、ラオスの首都ビエンチャン中心部に位置する五つ星ホテル「クラウンプラザ・ビエンチャン」でした。ワットタイ国際空港から車で約15分の距離にあるこのホテルの10階に、たった1室しかない「プレジデンシャル・スイート」が愛子さまの宿泊場所となりました。宿泊料金は1泊約5000米ドル（約78万円）にも及ぶこの広さ140平方メートルのスイートからは、四つの大きな窓を通してメコン川の壮大なパノラマビューが楽しめます。
ラオスを訪問中の愛子さまが「イッサラポン・バイオリン演奏団」の演奏を鑑賞し、拍手される様子
愛子さまがこの部屋でどのように過ごされたか定かではありませんが、メコン川の雄大な景色を眺めてくつろがれることもあったでしょう。しかし、それ以上にラオス要人との面会や晩餐会でのスピーチなど、公務のための事前準備に多くの時間が費やされたことと推察されます。
緻密な事前準備が明かす「皇室外交」への真摯な姿勢
愛子さまは、初の海外公式訪問を前に、周到な準備を進めてこられました。2012年に天皇陛下がラオスを公式訪問された際のアルバムを基に、皇后雅子さまも交えてラオスへの理解を深められたといいます。その上で、専門家からラオスの歴史に関するご進講も受けられました。
ラオス近現代史の研究者である東京外国語大学教授の菊池陽子氏は、「10月に入って宮内庁から連絡をいただき、10月31日に皇居の御所内でご進講いたしました」と語っています。このご進講には愛子さまだけでなく、天皇陛下と皇后陛下も同席され、非常に和やかで仲睦まじいご様子だったと菊池教授は述べています。愛子さまは「品がおありで、たおやかな雰囲気をまとっていらっしゃいました」との印象を菊池教授に与えました。
ご進講のための資料は事前に宮内庁の職員に送られ、当日はその印刷物が用意されていました。お三方は資料を見てメモを取ったり、菊池教授の話にうなずかれたりしながら真剣に耳を傾けられたそうです。ご訪問先の中でも、古都ルアンパバーンとラオスで最も大きな仏教寺院であるタートルアン大塔については、ランサン王国の都であったことなど、詳細な説明がなされました。愛子さまの綿密なご準備は、国際親善という皇室外交への真摯な姿勢を明確に示しています。
今回のラオスご訪問は、愛子さまの国際舞台でのデビューとして、その優雅なお振る舞いと、入念な事前準備が相まって大成功を収めました。これにより、日本とラオスの友好関係が一層深まることが期待されます。
