PR会社「merchu」の代表取締役を務める折田楓氏が、’24年11月の兵庫県知事選挙におけるSNS運用を巡る公職選挙法違反の疑いで刑事告発されていた件で、神戸地検は11月12日、折田氏と斎藤元彦知事(48)を嫌疑不十分として不起訴処分としました。この決定を受け、折田氏は約1年ぶりにInstagramの更新を再開し、ファンからは安堵の声が上がっています。
公選法違反告発の経緯と疑惑の内容
事の発端は、’24年11月の兵庫県知事選挙での斎藤知事の“出直し選挙”にあります。折田氏は自身のnoteで、齋藤知事の「広報全般」を任されていたことを明かし、プロフィール写真の撮影、キャッチコピーの一新、SNSアカウントの立ち上げ・運用などを手掛けたと説明しました。これに伴い、斎藤知事がmerchuに対し、「公約スライド制作」や「チラシデザイン」などの名目で合計71万円を支払っていた疑惑が浮上しました。merchuが選挙運動の主体的なSNS運用に関与していたとすれば、選挙運動における買収・被買収を禁じる公職選挙法に違反する可能性があるとの批判が噴出し、同年12月には弁護士の郷原信郎氏と神戸学院大学の上脇博之教授が、斎藤知事と折田氏を刑事告発するに至りました。
不起訴処分と折田氏の声明
しかし、2025年11月12日、神戸地検は双方について嫌疑不十分として不起訴と判断しました。この決定を受けて、折田氏は同日、自身のInstagramを更新し、「昨年から続いております兵庫県知事選挙に関する件について、神戸地検より不起訴の判断が示されたことを確認いたしました」と報告しました。
折田氏は、不正な対価の授受やいかなる不正行為の事実も断じてないとしつつも、「私の発信により誤解を招いてしまったことを深く反省しております」と謝罪。今回の経験を通じて「自らの言葉の重みと責任を改めて痛感しました」と心情を吐露しました。さらに、厳しい状況の中でも信じて励ましの言葉を寄せてくれた人々への感謝を述べ、疑惑の渦中も目の前の仕事に集中してきたことを明かしました。
「本件を重く受け止め、この経験から学び、人としても経営者としても成長し続けることで、信頼を回復してまいります。どんな状況でも謙虚な気持ちと感謝を忘れず、誠実に歩みを進めてまいります」と、今後の活動への決意を表明しています。
SNS活動の再開と変化
疑惑が浮上して以降、SNSの更新を停止していた折田氏ですが、不起訴処分と自身の声明発表後、約1年ぶりに活動を再開しました。11月24日にはダリアなどの写真を投稿し、11月28日には飲食店で笑顔を見せる自身の写真を公開。「ぼちぼち発信も再開していこうかなと思います」と綴り、その後も大阪のクリスマスマーケットを訪れる様子や、岡山県下津井のタコを食べる写真、橋をバックにした全身カットなどを積極的に投稿しています。
飲食店で笑顔を見せる折田楓氏
休止前は週1〜2回の投稿があった折田氏のInstagramですが、今回の再開で更新頻度が以前に戻っただけでなく、ある「変化」も見られます。全国紙社会部記者によると、騒動中に折田氏への誹謗中傷がエスカレートしたことを受け、Instagramのコメント欄を制限していました。しかし、再開後はコメント欄を開放し、騒動前の“通常運転”に戻っています。これは、不起訴になったことで、ようやく本来の生活に戻れるという折田氏の思いが反映されているものと推測されます。
結論
兵庫県知事選挙を巡る公職選挙法違反疑惑で不起訴処分となった折田楓氏は、自身のInstagramを通じて反省と今後の決意を表明し、約1年ぶりにSNS活動を再開しました。コメント欄の開放など、騒動前への回帰が見られる一方で、今回の経験から学び、経営者として、そして人として成長し、信頼回復に努めるという決意が示されており、今後の活動が注目されます。
参考文献
- 「斎藤元彦知事とともに不起訴のPR会社女性社長、SNS再開で1年ぶりの“通常投稿”」, Yahoo!ニュース, 2025年12月2日.
https://news.yahoo.co.jp/articles/2181cd38b80e5b9416d6ed12c084f129e4e7d08f





