天皇皇后両陛下の長女である敬宮愛子さまが、初の公式海外訪問としてラオスを訪れられた際、現地の子どもたちの命を救う「ラオ・フレンズ小児病院」を視察されました。この病院は、深刻な財政難に直面しながらも、日本の認定NPO法人「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN」の運営のもと、無償で小児医療を提供しています。愛子さまのご訪問は、病院が開始したクラウドファンディングに大きな光を当て、その支援を大幅に加速させる結果となりました。
愛子さまの温かいお声かけと深い洞察
11月20日、ラオスを訪問中の愛子さまは、「ラオ・フレンズ小児病院」で入院中の子どもたちに「お大事に。早く良くなりますように」と温かいお言葉をかけられました。同院の代表を務める看護師の赤尾和美さん(62)は、愛子さまとの対話から深い感銘を受けたと語っています。愛子さまは「異文化を感じられることはありますか?」と質問され、赤尾さんは、生まれ変わりを信じる民族の親が「治らないのなら病院へ行く必要はない」と受診を拒否した経験を共有しました。この質問は、患者や家族の価値観を尊重し、押し付けではなく寄り添う病院の方針を愛子さまが深く理解されていたからこそ生まれたものではないかと赤尾さんは感じたといいます。愛子さまはさらに「ずいぶんと患者さんに寄り添ってケアをなさっているんですね」と、ねぎらいの言葉をかけられました。
ラオス公式訪問のため、東京国際空港から出発される愛子さま
財政危機に瀕する「ラオ・フレンズ小児病院」
「ラオ・フレンズ小児病院」は、新生児から15歳までの子どもたちを24時間体制で受け入れる救急病院です。無償で医療を提供することで、ラオスの子どもたちの命と健康を守る重要な役割を担ってきました。しかし、2025年は長期化する円安の影響や、継続的に見込まれていた大口支援の満了などにより、かつてない財政危機に直面しています。病院の受け入れ態勢を維持し、より多くの子どもたちに医療を提供するため、同院は9月12日に目標額1000万円のクラウドファンディングを開始しました。
愛子さまのご訪問がクラウドファンディングに与えた影響
愛子さまのご訪問は、このクラウドファンディングに予想以上の影響をもたらしました。11月28日時点で、支援総額は1276万円に達し、目標達成率は127%と大幅に上回る好調ぶりを見せています。支援者からは「愛子様の活動で知りました。応援しています」「敬宮愛子さまのご訪問ニュースで、貴院のことを知りました。少しですが応援の気持ちです」といったコメントが多数寄せられており、愛子さまのご訪問が支援拡大の大きなきっかけとなったことが伺えます。
前出の赤尾看護師も、愛子さまのご訪問前は達成率が70%を超えた程度だったと明かし、「愛子さまのご訪問を通じて、私たちの活動を知って寄付していただいた方もいらっしゃったのです」とその効果を強調しました。当初の目標額を上回った現在、病院はさらに多くのラオスの子どもたちの健康と笑顔を守るため、総額1500万円をネクストゴールに設定しています。
スタッフが語る愛子さまのお人柄
愛子さまをお迎えした際、病院のスタッフ一同は大変緊張していたといいます。しかし、愛子さまの「とても優しいお人柄に接してホッとした」と、赤尾さんは当時を振り返ります。短いご訪問時間にもかかわらず、愛子さまはラオスの小児医療の現場で起きていることに大変興味を持たれ、「ラオ・フレンズ小児病院が目指していることを深くご理解いただけた」と感じられたそうです。愛子さまのご訪問は、日本国内でラオスという国自体への関心を高める効果もあったと見られています。
結び
クラウドファンディングの終了日は12月6日に迫っています。愛子さまもまた、この活動が多くの笑顔を守ることに繋がるよう、深く祈られていることでしょう。愛子さまの国際貢献への思いと、温かい共感の心が、ラオスの未来を担う子どもたちの命を守る大きな力となっています。



