日本テレビ系の音楽番組「with MUSIC」が、2025年春をもって終了すると報じられました。2024年春に土曜午後8時台でスタートし、日本テレビにとっては「トップテン」シリーズ以来34年ぶりのゴールデン・プライム帯(GP帯)音楽番組として大きな期待が寄せられていましたが、わずか約2年での幕引きとなります。この決定は、地上波テレビにおける音楽番組の現状と課題を浮き彫りにしています。
「with MUSIC」終了の背景と番組の軌跡
「with MUSIC」は、「アーティストが今一番歌いたい歌や楽曲を、一番聞きたい歌・楽曲に」というコンセプトを掲げ、有働由美子アナウンサーと俳優の松下洸平さんが司会を務めました。開始当初は土曜夜の大型改革の目玉として、視聴率アップが期待されましたが、結果は芳しくありませんでした。直近の11月22日の平均世帯視聴率は4.7%に留まり、裏番組であるTBSの「情報7daysニュースキャスター」やフジテレビの映画番組に及ばなかったと報じられています。
番組は2025年春に土曜午後10時台へ枠移動し、MC陣を強化して再出発を図りましたが、同時間帯の強豪番組の牙城を崩すには至りませんでした。番組関係者からは「以前から終了の話が出ていたほど厳しい状況だった」との声も聞かれ、視聴率の伸び悩みが主要な要因とされています。
with MUSICで司会を務める有働由美子アナ
低視聴率と差別化の課題
「with MUSIC」は、MCがゲスト歌手とトークを繰り広げ、その合間に歌唱するという形式を採用していましたが、これは他局の音楽番組との明確な差別化が図れなかったと指摘されています。多くの視聴者からは、トークと歌唱のバランスや、カメラアングル、観客の声など、番組内容に対する様々な意見が寄せられました。純粋にアーティストの歌やトークを楽しみたいという声も多く、番組制作側は視聴者のニーズに応えきれなかった可能性があります。
民放キー局における音楽番組の現状
「with MUSIC」の終了は、時代劇とともに地上波テレビから音楽番組が減っていく傾向を象徴しています。現在、レギュラー放送されている民放キー局の主な音楽番組は以下の通りです。
- 日本テレビ: 「with MUSIC」(来春終了)
- テレビ朝日: 「ミュージックステーション(Mステ)」(金曜午後9時)、「EIGHT-JAM」(日曜午後11時15分)
- TBS: 「CDTVライブ!ライブ!(CDTV)」(月曜午後7時)
- フジテレビ: 「週刊ナイナイミュージック」(水曜午後11時)、「MUSIC FAIR」(土曜午後6時)
「EIGHT-JAM」は特定のアーティストとその楽曲を深く掘り下げる構成で音楽ファンから評価されていますが、他の番組は「with MUSIC」と同様のトークと歌唱スタイルが中心です。「Mステ」は2019年に枠移動後、視聴率に苦戦し、現在では月に1〜2回の放送に減少しています。「CDTV」は比較的安定した放送を続けていますが、視聴率は4〜5%台で推移しています。TBSが「日本レコード大賞」に深く関与していることも、レギュラー音楽番組を継続する一因と見られています。
音楽番組の未来と視聴者の声
今回の「with MUSIC」終了に対し、SNS上では「終わるのは悲しい」「音楽番組がまた減ってしまう」といった惜しむ声が多数寄せられています。有働アナと松下さんのコンビを好意的に見ていた視聴者も多く、番組の挑戦的な姿勢やアーティストの魅力を引き出す試みを評価する声もありました。
テレビ業界全体で視聴構造が大きく変化する中、従来の音楽番組のあり方が問われています。ストリーミングサービスや配信コンテンツの普及により、音楽を視聴する形態が多様化し、地上波テレビは新たな視聴体験の提供を模索する必要があります。日本テレビが土曜夜の枠をどのように再編するのか、また今後、どのような形で音楽コンテンツを発信していくのかに注目が集まります。
情報源:
日テレ「with MUSIC」に“終了”報道…いまや“オワコン”扱いの音楽番組が“ドル箱”だった時代を振り返る | デイリー新潮
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