緊迫する日中関係が、ついにエンターテインメント業界にも深刻な影響を及ぼし始めています。特に、高市早苗首相の「台湾有事」に関する発言以降、中国からの圧力は増しており、人気アーティストの公演中止やパフォーマンスの中断といった事態が相次いで発生しています。本記事では、この日中間の政治的緊張が日本のエンタメ界に与える影響について詳しく掘り下げます。
高市首相の「台湾有事」発言と中国の反発
11月7日の衆院予算委員会で、高市早苗首相(64)は立憲民主党・岡田克也元外相(72)の台湾情勢に関する質疑に対し、「(中国が)戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうる」と発言しました。この発言は、“台湾有事”の際に自衛隊が武力行使に踏み切る可能性を示唆するもので、中国側はこれに猛反発し、繰り返し撤回を要求しています。これに伴い、中国は自国民に日本への渡航自粛を要請し、日本産水産物の輸入を事実上停止するなど、経済的・政治的圧力を強めており、その波紋は文化・芸能分野にも広がっています。
浜崎あゆみ、急遽中止された上海公演で無観客パフォーマンス
こうした政治的緊張の只中、歌手の浜崎あゆみ(47)のアジアツアー上海公演が急遽中止となる事態が発生しました。11月29日に予定されていた公演は、直前になって中止が決定。浜崎は30日までに更新したインスタグラムのストーリーズで、「私達は昨日の中止要請の後、無観客の状態で一曲目からアンコールまで行ってから会場を後にしました。会えるはずだった一万四千人のTAの皆さんへ向けて、演者・スタッフ全員で全身全霊で本番と寸分変わらぬ想いをもちステージをまっとうさせて頂きました」と報告しました。
歌手の浜崎あゆみ
公演中止の決定は、本番前日の28日という直前だったといいます。浜崎はインスタグラムのストーリーズで、「私達は、これまでの公演と同じように日本と中国のクルー総勢200名で協力し合い、五日間かけて上海のステージを本日組み終えましたが、午前に急遽公演中止の要請を受けました」と告白。その上で、本番を迎えられなかった日中のスタッフ、そして公演を楽しみにしていたファンに向けて謝罪の言葉をつづり、政治的背景には言及しない姿勢を示しました。
大槻マキ、「ONE PIECE」主題歌中に強制中断:バンダイナムコフェスティバル2025
同じく11月28日、上海で開催された「バンダイナムコフェスティバル2025」でも、衝撃的な出来事がありました。人気アニメ『ONE PIECE』の主題歌で知られる歌手・大槻マキ(52)が歌唱中に、突然ステージを強制的に中断させられたのです。
音楽関係者によると、「大槻さんが歌っている真っ最中に突然照明が落とされ、音響も切られてしまったのです。彼女のもとに2名のスタッフが駆け寄り、何かを伝えると大槻さんは驚いたような表情に。締め出されるようなかたちで、ステージから下ろされてしまいました。この一部始終を収めた動画は日本のXでも拡散され、エンタメ界のみならず広く物議を醸しました」とのことです。大槻の公式サイトでも、「28日のステージにつきましては、パフォーマンス中ではございましたが、やむを得ない諸事情により急遽中断せざるを得ない状況となってしまいました。また、29日の出演につきましても、同様の事情により中止となっております」とアナウンスされましたが、具体的な理由については明かされていません。
日中間の政治的緊張が、エンターテインメントという文化交流の場にまで影響を及ぼし、アーティストやファンに混乱と失望をもたらしている現状が浮き彫りになりました。今後、両国関係の動向がエンタメ界にどのような影響を与え続けるのか、その行方が注目されます。





