11月28日に放送された『マツコ&有吉かりそめ天国』(テレビ朝日系)で、タレントのマツコ・デラックスが自身の心境について率直な思いを明かし、大きな反響を呼んでいます。彼女が「ちゃんとしたい」と語った切実な願いは、多くの視聴者の心に響きました。
「ちゃんとしたい」と涙のマツコ・デラックス
番組中、「全自動になってほしいもの」というテーマで有吉弘行とトークしていたマツコは、「あたし、いろいろ望みはあるけど、ひとつだけかなうってなったら、ちゃんとしたい。もう本当に」と吐露しました。有吉が苦笑いを浮かべながら見守る中、彼女はさらに「自分でも嫌なのよ。こんな日常のなかで仕事をし続けるのが」「毎日、家で泣いてるのよ。ちゃんとしたい!って。ちゃんとできないんだよね。誰かの目ってすごく大事」と、胸の内を語っています。この言葉からは、彼女が抱える葛藤や、日々の生活の中での苦悩が垣間見えます。
テレビ番組で本音を語るマツコ・デラックスの姿
私生活の激変:喪失と裏切り、そして身体の不調
近年、マツコ・デラックスを取り巻く環境は大きく変化しており、彼女の精神状態に影響を与えている可能性が指摘されています。2024年2月、『徹子の部屋』(テレビ朝日系)で実父が高齢者施設に入居したことを告白。2016年には母親も亡くしており、彼女にとって唯一の肉親である父親が施設に入ったことで、実家という心の拠りどころを失ったことも明かされました。
さらに、2025年1月には、20年以上にわたり信頼を寄せていた所属プロダクション社長との間に金銭トラブルが浮上。7月にはくりぃむしちゅーや有働由美子らと共に新事務所を立ち上げたものの、恩人からの裏切りは彼女に大きな精神的ダメージを与えたと見られています。また、7月には『アウト×デラックス』(フジテレビ系)で共演した盟友・遠野なぎこを亡くすという悲劇も経験。8月には北海道での仕事に向かう途中で腰の亜脱臼を発症し、激痛により仕事を断念して休養を余儀なくされるなど、心身ともに厳しい状況に置かれています。
責任感と盟友・有吉弘行の存在が支えに
こうした激変する環境の中にあっても、マツコは多くのレギュラー番組を抱え、仕事を続けています。そのモチベーションの源には、番組やそこで働くスタッフに対する強い責任感があると言います。『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)では、ユニークな一般人キャラクターが登場した際に「大事にしましょう」とスタッフに促したり、VTRに厳しくダメ出しをしたりする姿が見られます。『マツコの知らない世界』(TBS系)でも同様に、番組をより良くするための指摘を惜しみません。これらは全て、番組とスタッフを支えたいという彼女の深い思いから生まれる行動です。
そして、もう一つ彼女を突き動かすのが、長年番組を共にしてきた盟友、有吉弘行の存在です。2021年4月に夏目三久と結婚し、2025年3月には第一子が誕生するなど、有吉は新たな人生のステージへと進んでいます。仲間が幸せを手にし、新しい家族を築いていく中で、マツコは実家を失い、トラブルに見舞われ、取り残されたような感覚を抱いているのかもしれません。この「取り残された」という孤独感が、彼女をテレビという場所へと向かわせる原動力になっている可能性も指摘されています。
マツコ・デラックスにとって、テレビは単なる仕事の場ではなく、自身の居場所であり、世間とのつながりを保つための大切な存在なのかもしれません。彼女がテレビで明かした本音は、多くの人々に共感を呼び、その複雑な心境に寄り添うきっかけとなりました。





