自身の学歴詐称疑惑が発覚し、静岡県伊東市の市長を失職した田久保眞紀氏が、12月14日投開票予定の伊東市長選挙への出馬を表明し、再び注目を集めています。過去に2度の不信任決議案を経てその職を退いた彼女が、今回はZARDのヒット曲「負けないで」を使用したミュージックビデオ風のプロモーション動画を公開。この動画がネット上で大きな波紋を呼び、批判が殺到する事態となっています。
学歴詐称疑惑と失職、そして再出馬へ
田久保眞紀氏は、学歴詐称疑惑が浮上し、伊東市の市長の座を追われました。市議会では2度にわたる不信任決議案が提出され、1度目は全会一致、2度目は反対1人、賛成19人の圧倒的多数で可決。これにより、市民からの信頼を失い、職を失う結果となりました。しかし、田久保氏は11月19日、来たる12月14日に投開票が予定されている伊東市長選挙への再出馬を正式に表明。現時点で9名が出馬表明しており、選挙戦は「混戦」が予想されています。
物議を醸す「負けないで」MV風動画
再出馬を表明した田久保氏は、11月30日に自身のインスタグラムを更新。「いつも ともに うえをむく」という縦読みで「いとう」のメッセージを綴り、プロモーション動画を公開しました。
伊東市の田久保眞紀前市長が、再び市長選出馬を表明
この動画では、田久保氏のイメージカラーとされている紫のパーカー姿で、伊東市の名所である一碧湖、城ヶ崎海岸・門脇吊り橋、大室山さくらの里、伊東市役所、八幡野港の5か所を巡る様子が収められています。BGMには、ZARDの大ヒット曲「負けないで」が使用されており、投稿文には「C 負けないで 【オリジナルアーティスト:ZARD】 カラオケガイド無し」と明記されていることから、田久保氏本人がカラオケ音源に合わせて歌っているものと見られています。「This song is by Maki Takubo」という記述もあり、自身の歌声であることを強調しています。
全国紙政治部記者によると、この動画には助手席から田久保氏が運転する様子を映すシーンなどもあり、「デート風」のような演出がなされていると指摘されています。市長選の再出馬にあたり、自身の強みとして「メンタルの強さ」を挙げている田久保氏の姿勢が、この投稿からも滲み出ているとの見方もあります。
ネット上での批判と市民の信頼
しかし、田久保氏のこの投稿に対して、ネット上では厳しい批判の声が多数寄せられています。「ここまで痛々しい人も久しぶりに見る」「これだけ悪目立ちしてるからワンチャンいけると思っている所が笑える」といったコメントが散見され、その内容は非常に辛辣です。
政治部記者は、田久保氏が「自分自身に“負けないで”と言い聞かせているのかもしれない」としつつも、「“市長”という立場である以上、市民の意見は聞いてもらいたい」と指摘しています。彼女は既に市議会のみならず、市民との信頼関係を大きく損なっている状況です。全国的に見れば田久保氏の知名度は上がっているものの、それは「悪い意味」でのものであり、市民との信頼回復なくして、再び市長に返り咲くことは極めて困難であると結論付けています。
結論
学歴詐称疑惑による失職からわずか1ヶ月余りで市長選への再出馬を表明した田久保眞紀氏。ZARDの「負けないで」をBGMにしたプロモーション動画は、そのメンタルの強さを示すものとして本人は意図したのかもしれません。しかし、市民の信頼を失った状態でのこのアピールは、現状では逆効果となり、批判を招く結果となっています。今後の選挙戦において、彼女がどのように市民の信頼を取り戻し、有権者の支持を得ていくのかが注目されますが、その道は険しいものとなるでしょう。





