高市首相、公邸への引っ越しとバリアフリー改修巡る議論 – 女優・毬谷友子が疑問呈す

11月29日、高市早苗首相(64)が年内の首相公邸への引っ越しを視野に入れ、公邸の内見を行いました。内閣発足から1カ月以上が経過しても赤坂の議員宿舎に居住していた高市首相の移転は、災害時などの危機管理対応の観点から注目されていました。しかし、この公邸のバリアフリー改修に対し、女優の毬谷友子氏(65)が疑問を呈し、SNS上で議論が巻き起こっています。

首相公邸への移転とバリアフリー改修の背景

高市首相は、岸田文雄元首相や石破茂前首相など、近年の首相経験者が就任後まもなく官邸隣接の公邸に移っていた前例があるにもかかわらず、議員宿舎にとどまっていました。11月7日の衆院予算委員会で、立憲民主党の黒岩宇洋議員から危機管理上の問題で公邸への移転を促された際、高市首相はG20出席後、可能な限り早期に引っ越すと表明していました。

今回の公邸移転に際して注目されているのが、公邸の居住スペースに施されたバリアフリー改修です。高市首相の夫である山本拓元衆院議員(73)が今年に入って脳梗塞で倒れ、現在は車いすを利用していることから、公邸がバリアフリーに対応するようリフォームされたと報じられています。 菅義偉元首相が在任中公邸に入居せず、野党から危機管理の心構えの欠如を厳しく追及された経緯もあり、高市首相の今回の移転は、リフォーム完了と合わせて「満を持して」と見られています。

高市早苗首相が首相公邸の内見を行う様子高市早苗首相が首相公邸の内見を行う様子

女優・毬谷友子の批判と世間の反応

このような状況の中、宝塚歌劇団出身の女優・毬谷友子氏は11月30日、自身のX(旧Twitter)を更新し、公邸のバリアフリー改修について懐疑的な見方を示しました。《今朝、総理官邸をバリアフリーにする改装を始めたという記事を見て辞任の考えなんか全くないのだろうなあ。と、暗澹たる気持ちです》と投稿し、高市首相が辞任する意図がないことに落胆の念を表明しました。

毬谷氏はこれまでも政権に対する批判を度々行っており、今回の投稿に先立ち、高市氏が愛用する「早苗バッグ」が世界で脚光を浴びているという記事を引用し、《何処の世界で脚光を浴びているのだ。海外で多少記事になっただけではないか。仮に、本当に世界でバッグが脚光を浴びたとしても「それがどうした。」バッグより御本人が、今、世界でどれだけ危険視されているか。それを報道して下さい》と、高市首相への厳しい批判を展開していました。

しかし、毬谷氏のバリアフリー改修に対する主張には、X上で疑問の声も多く上がっています。ユーザーからは、《女優の毬谷友子さんが高市総理の辞任を望んでいるのはわかる。でもだからといって、公邸のバリアフリー工事を行うことを取り上げて、辞任するつもりがなくてがっかりだと言ってのける神経が、私にはわからない。バリアフリーは障害を持つ人の自立につながることではないのでしょうか》という意見や、《スロープの整備なんて基礎的環境整備の一部なんだから、公邸に設置して何が悪い?と思う》といった反論が見られました。

さらに、《れいわの木村議員や舩後議員(舩後議員は引退したけど)、立憲の横澤議員みたいにバリアフリーを要する人が政治家になっている以上、彼らが総理になる可能性はゼロじゃあないからねぇ。国会がバリアフリーになったんだから官邸だってバリアフリーになるのは時代の流れだよな。時代に遅れてるな毬谷》や、《バリアフリー、素晴らしいじゃないですか 毬谷さんがいつも訴えられている『どんな人にも優しい取り組み』ですよ?》など、バリアフリー化を肯定的に捉え、時代の要請であるとする意見や、毬谷氏自身の「どんな人にも優しい取り組み」という主張との矛盾を指摘する声も上がっています。

まとめ

高市早苗首相の首相公邸への移転と、それに伴うバリアフリー改修は、危機管理体制の強化という側面と、身体的配慮という側面を持ち合わせています。しかし、女優・毬谷友子氏の「辞任の考えがない証拠」とする批判は、公邸のバリアフリー化という現代社会の多様性に対応する動きに対し、政治的な意図を読み込むものであり、賛否両論を呼んでいます。公邸のバリアフリー化が、単なる個人の事情を超え、今後の政治家や公的施設のあり方、そして社会全体のアクセシビリティへの意識について、改めて議論を促すきっかけとなるかもしれません。