皇居東御苑の売店で密かに販売されてきた「皇居財布」が、今年に入り若者を中心に爆発的な人気を集めています。かつては外国人観光客が多かった東御苑に、日本人、特に20代の若者が早朝から長蛇の列を作る異例の光景が広がっています。
「皇居財布」とは?その魅力と人気の秘密
この話題の皇居財布は、大手仮休憩所と本丸休憩所で販売されている二つ折りタイプです。牛本革製でありながら、価格は税込み5千円という手頃さが大きな魅力。色はベージュピンクやシャンパンゴールドのような上品な淡いトーンが特徴で、がま口の金具はピンクゴールドで「めちゃくちゃ可愛い」と評判です。
人気の火付け役となったのは、昨年X(旧Twitter)で拡散された「知る人ぞ知る、皇居の売店でひっそり売られてる上質な牛革のお財布」という投稿でした。この投稿がきっかけで、その品質とデザイン、そして何よりも「ブランド物を買うよりコスパがいい」という点が注目され、一気に話題となりました。薄型で小さなバッグにも収まりやすく、キャッシュレス決済が主流の現代において、現金やカードを収納するサブ財布としても重宝されています。
若者を惹きつける「皇居ブランド」
11月の祝日、大手門の開門時間である午前9時前には、すでに100人を超える行列ができていました。行列の先頭にいたIT企業勤務の25歳女性は、岡山県在住ながら「皇居財布」を求めて、妹とともに午前4時半に起床し、開門の6時間前から並んだといいます。「昨日はがま口財布が買えなかった。ピンクかゴールドが欲しかったので、今日しかないと思って」と、その熱意を語りました。宮内庁担当者も、これほど多くの日本人が早朝から行列を作るのは珍しい現象だと驚きを隠しません。
岡山県の25歳女性と妹が購入した淡いトーンの皇居財布と小銭入れ
若者たちは、その上品なデザインと高いコストパフォーマンスに惹かれ、わざわざ早起きしてでも手に入れたいと願っています。皇居という日本の象徴的な場所で購入できるという特別感も、「皇居ブランド」として彼らの心を掴んでいるようです。
まとめ
皇居東御苑で販売される「皇居財布」は、SNSでの拡散をきっかけに、手頃な価格と高品質、そして上品なデザインが若者世代の心を捉え、行列ができるほどの人気ぶりを見せています。これは、単なる財布のトレンドに留まらず、若者の消費行動における新たな価値観、すなわち「コスパの良さと独自性」を求める傾向を映し出していると言えるでしょう。





