第22回好きな女性アナランキングでTBSが躍進:新女子アナ王国は誕生するか

毎年恒例の「第22回 好きな女性アナウンサーランキング」(オリコン調べ)が12月5日に発表され、TBSのアナウンサーがTOP10に4人もランクインするという快挙を達成し、注目を集めています。これは、かつて「女子アナ王国」と呼ばれたフジテレビの時代から、新たな勢力図が描かれつつあることを示唆しています。

TBS女子アナウンサーの台頭:朝の番組が人気の牽引役に

今回のランキングでは、TBSの田村真子アナ(29)と江藤愛アナ(40)が、昨年に引き続き堂々の1位、2位をキープしました。特に江藤アナは3年連続で2位を維持しており、その安定した人気を証明しています。さらに、南後杏子アナ(24)が7位に、宇賀神メグアナ(29)が10位にそれぞれ初ランクインを果たし、TBSの若手・中堅アナウンサー層の厚さを見せつけました。

これらの人気アナウンサーたちは、TBSの平日朝の顔として活躍しています。田村アナは早朝の情報バラエティ番組『ラヴィット!』(朝8時〜9時55分)を担当し、視聴者に明るい朝を届けています。一方、江藤アナ、南後アナ、宇賀神アナの3人は、情報番組『THE TIME,』(5時20分〜8時)の進行を担当しており、早朝から多くの視聴者に親しまれています。

TBSアナウンサーの田村真子(左)と江藤愛(右)TBSアナウンサーの田村真子(左)と江藤愛(右)

かつてのフジテレビ「パン」ブランドとの比較

かつて、女性アナウンサーといえばフジテレビというイメージが非常に強く、「チノパン」の千野志麻アナ、「アヤパン」の高島彩アナ、「ショーパン」の生野陽子アナ、「カトパン」の加藤綾子アナといった「パン」のつく愛称で呼ばれることが恒例となっていました。特に高島アナは、この「好きな女性アナウンサーランキング」で5年連続1位を獲得し、2008年には殿堂入りを果たすほどの人気を博しました。しかし、時代は移り変わり、現在はTBSがその存在感を増しています。

退社ラッシュと若手の育成:TBSの課題と未来

近年、TBSでは人気女性アナウンサーの退社が相次いでいます。2024年12月には入社27年のベテランである小倉弘子アナ(51)が退社。2025年に入ってからも、2月末に加藤シルビアアナ(39)、3月には宇内梨沙アナ(34)が局を去りました。さらに、良原安美アナ(30)も2026年1月での退社を12月5日に発表しました。良原アナは同局の日曜情報番組『サンデー・ジャポン』の8代目アシスタントを務めていましたが、彼女の退社により歴代アシスタント全員が退社することとなり、これも大きな話題となっています。

このような退社ラッシュがあるにもかかわらず、入社2年目の南後アナがランキングに初登場するなど、若手アナウンサーが着実に育っていることは、TBSが「新女子アナ王国」としてその地位を確立しつつある証拠と言えるでしょう。

高まる人気と番組視聴率の現実

TBSの女性アナウンサーがランキング上位を席巻し、その人気が上昇している一方で、アナウンサーの人気がそのまま出演番組の人気につながっているかというと、そうではない側面も指摘されています。今回のランキングに『THE TIME,』に出演する江藤アナを含む3名がランクインしているものの、番組自体の視聴率は厳しい状況にあると言われています。

これは、個々のアナウンサーの魅力と番組全体のコンテンツ力との間にギャップがあることを示唆しており、TBSは人気の女子アナウンサーを擁しながらも、番組制作においてさらなるテコ入れが必要となるかもしれません。

結論

今回の「好きな女性アナウンサーランキング」の結果は、TBSが数々の人気アナウンサーを輩出し、業界内で新たな「女子アナ王国」としての地位を確立しつつある現状を鮮明に浮き彫りにしました。若手の台頭とベテランの安定した人気は、同局の強みとなっています。しかし、アナウンサーの個人人気と番組視聴率の連動性という課題も浮上しており、今後のTBSの動向が注目されます。


参考文献: