長期化する日中対立に必要な対抗策、中国が仕掛ける情報戦…打ち破るは「新聞」のファクトチェック


【写真】情報戦に対抗することは難しい高市政権

 国内世論の分断は中国が仕掛ける情報戦の目的であり、このままでは中国の思う壺に成りかねない。その愚を避けるために、今こそオールドメディアと揶揄されてきた新聞は、歴史を都合よく解釈し、改ざんする中国の主張に対し、事実を検証するファクトチェックを実施し、日本の主張を国内外に発信する必要がある。

新聞こそ情報戦の先頭に立つ存在

 今後、新聞が中国の主張をファクトチェックした記事を発信し続ければ、「ふざけるな」といった感情的な短文ではなく、事実に基づいた表現で中国を非難することもできるだろう。と同時に、英語による発信も強化すれば、中国の主張の愚かさを国際社会に伝え、それもネット上で拡散されていくはずだ。

 筆者は読売新聞の記者時代、沖縄・尖閣諸島の国有地化に反発する中国の主張に対し、読売新聞の英字紙「The Japan News」で、「How Senkaku Islands became part of Japan」というタイトルの記事を、紙面1ページを割いて発信したことがある。

 日本が同諸島を領有するに至った歴史的な経緯に加え、明治期に中国漁船が遭難し、同諸島の島民らが、多くの中国漁民を救助したことに対し、当時の中華民国政府から「日本国尖閣諸島の島民」に対して贈られた感謝状の写真なども添えた内容であった。

 その記事がきっかけで、都内にある複数の大使館でレクチャーする機会を頂き、日本が尖閣諸島を領有する正当性を詳しく伝えることもできた。今はネット時代である。しかも国内外で日中対立の行方に関心が集まっている時だけに、日本語と英語による発信は瞬く間に拡散されるはずだ。



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