芝居に挑む演者は撮影の裏側で何を思い、どのようなやり取りをしているのか?
そして、映像化の元となる物語を生み出した原作者は、どんな気持ちで制作の現場を見つめているのか?
TBS系日曜劇場で放送中の『ザ・ロイヤルファミリー』は、「ともに良い作品をつくり上げよう」という強い一体感が生まれた、稀有な作品だという。
こうした現場のキャストやスタッフだけが知る内幕を明かし、作品への理解が深まる対話をしたのが、『ザ・ロイヤルファミリー』の原作者・早見和真さんと、出演者の妻夫木聡さん、目黒蓮さんの三人だ。
主人公の税理士・栗須栄治とワンマン社長・山王耕造との出会いから、馬主一家の波乱に満ちた20年間の軌跡を紡ぐドラマの撮影現場では、どんな思索とやり取りが生まれていたのだろうか?
(全4回の第1回)
※本対談は原作者の早見さんが第一話放送後の10月中旬に撮影現場を訪問して行われました。
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早見:第一話が本当に素晴らしくて、観た後、すぐに妻夫木さんに電話してしまいました。いつも「小説と映像のどちらが良かった」という声を気にしないようにしているのですが、とくに今回は僕も演出班や撮影班と同じように「原作班」の一人でしかないと思っているので、そういう見方に興味が湧きません。第一話を拝見して、まず原作の核の部分を大切にしてもらえていることに加え、レースシーンも含めて、映像ならではの表現がたくさん内包されていたことに本当に感動しました。
妻夫木:すごく嬉しいです。僕は自分が演じた作品を観るのは、これまで一番多くても三回だったんですけど、この作品の第一話は五回観ました(笑)。とても良くて。
早見:うわぁ、すごい(笑)。
妻夫木:オンエア日も、目黒くんと「リアタイしようね」って言ってたんだよね。だから、放送時間にも観ていました。
目黒:はい。僕もリアタイしました。






