今週初め、米国株式市場はハイテク株中心に買い戻しが入り、主要指数は上昇しました。
ダウ平均株価は127.91ドル高(0.32%)の40,415.44ドル、S&P500種株価指数は41.45ポイント高(1.08%)の5,564.41ポイントと、6月5日以来の大幅な上昇となりました。ナスダック総合株価指数は264.05ポイント高(1.58%)の18,007.57ポイントでした。
ハイテク株への回帰と利下げ観測の後退
先週は、大型ハイテク株から小型株や景気循環株への資金シフトが起こり、S&P500は2%近く、ナスダックは3%以上下落しました。今週は一転してハイテク株に買いが入り、Nvidiaは4.8%上昇、Meta PlatformsやAlphabetも2%以上の上昇を見せました。
エドワード・ジョーンズのシニアストラテジスト、Mona Mahajan氏は、「先週の大幅な売りの後、投資家はハイテク株に戻ってきている。上場企業の力強い収益見通しと、FRBがまもなく利下げに踏み切る可能性が、投資家に希望を与えている」と述べています。
一方、CMEのFedWatchツールによると、9月のFOMCでの利下げ確率は先週の100%近くから88.5%に低下しました。
原油価格は下落、中国の利下げも効果薄
原油価格は、供給過剰懸念や中国経済の減速懸念から下落しました。
北海ブレント先物は0.23ドル(0.3%)安の1バレル=82.40ドル、米WTI先物は0.35ドル安の79.78ドルで取引を終えました。
中国人民銀行(中央銀行)は22日、景気刺激のために予想外の利下げを発表しましたが、原油価格を押し上げるには至りませんでした。UBSのアナリスト、Giovanni Staunovo氏は、「中国の利下げは、原油市場のセンチメントを改善するには小さすぎた」と述べています。
今週の注目イベント
今週は、米個人消費支出(PCE)価格指数の発表が予定されています。PCEはFRBがインフレ指標として重視しているため、今後の金融政策に影響を与える可能性があります。
また、バイデン大統領が再選を目指さないことを表明し、ハリス副大統領が民主党の大統領候補となることが決まりました。11月の大統領選に向けた今後の動向に注目が集まります。
まとめ
今週の米国株式市場は、ハイテク株の反発により上昇しました。しかし、FRBの利下げ観測の後退や原油価格の下落など、懸念材料も残っています。今後の市場の動向には引き続き注意が必要です。