韓国の空の玄関口に潜む危険
韓国の空港運営を担う韓国空港公社が管理する空港の管制施設で、2年以上にわたり雨漏りが発生していることが発覚し、国民に衝撃を与えています。航空機の安全運航を支える管制塔という重要な施設で、なぜこのような事態が放置されているのでしょうか。
7つの空港で計18件の雨漏り、その多くが管制施設
野党「共に民主党」のソン・ミョンス議員が公開した資料によると、2018年から2024年にかけて、韓国国内14の空港のうち7つの空港で、合計18件もの施設漏水が報告されています。さらに深刻なのは、そのうち9件が管制塔や管制送受信所といった、航空機の安全運航に直結する重要な管制施設で発生している点です。
韓国・金浦空港の管制塔
金浦空港では3年連続で雨漏り、予算不足を理由に根本的な対策を怠る
特に深刻な状況なのが、首都圏に位置する金浦空港です。2022年から2024年にかけて、なんと3年連続で管制施設での雨漏りが確認されています。新管制塔の1階と18階の天井から雨漏りが発生しているにもかかわらず、韓国空港公社は予算不足を理由に抜本的な対策を講じず、子会社に一時的な処置をさせているだけというずさんな対応が明らかになりました。
専門家は「重大な航空事故に繋がる可能性」と警鐘
航空機の離着陸を管理する管制塔は、まさに航空安全の要ともいえる施設です。雨漏りによって管制機器が故障すれば、航空機の遅延や最悪の場合、重大な事故に繋がる可能性も否定できません。年間約2400万人が利用し、1日約400機が離着陸する金浦空港において、このような事態が放置されていることは、韓国の航空安全に対する意識の低さを露呈していると言わざるを得ません。
多額の費用をかけているにもかかわらず、繰り返される雨漏り
韓国空港公社は、2018年から2024年にかけて38回もの防水工事に約60億ウォンもの巨額を投じています。それにもかかわらず、雨漏りが後を絶たない現状に、ソン議員は「防水工事が適切に行われていない証拠」と指摘し、根本的な施設改修の必要性を訴えています。
韓国の空の安全を守るためにも、韓国空港公社には、一刻も早い原因究明と抜本的な対策が求められます。