18歳の若さで命を絶たれた谷澤優奈さん。東京・新橋のガールズバーで、彼女の接客を受けていた49歳の客、千明博行容疑者に果物ナイフで十数カ所を刺され、帰らぬ人となった。この悲劇の裏には、マッチングアプリでの出会い、金銭トラブル、そして一方的な“ガチ恋”という歪んだ愛情が渦巻いていた。
マッチングアプリで繋がった18歳と49歳:悲劇の始まり
事件の発端は、今年6月頃に遡る。マッチングアプリで知り合った千明容疑者と谷澤さん。群馬県在住の千明容疑者は、谷澤さんが働くガールズバーへたびたび足を運ぶようになっていた。一見、普通の客と従業員の関係に見えた二人の間には、しかし、深い闇が潜んでいた。
新橋ガールズバーで働く谷澤優奈さんのような若い女性
1万円の金銭トラブル:犯行の引き金か
10月初旬、谷澤さんは警視庁に相談していた。「マッチングアプリで知り合った男性に財布から1万円を盗まれた」と。この男性が千明容疑者とみられている。事件当日、千明容疑者は6時間にわたり谷澤さんの接客を受け、その後、持参した果物ナイフで襲いかかった。1万円という少額の金銭トラブルが、殺意へと繋がる引き金となったのだろうか。
容疑者の素顔:司法試験に挑戦した過去と危うい性格
群馬県渋川市で育った千明容疑者。旧家の息子として裕福な家庭環境で育ち、20代には司法試験に挑戦した過去もあったという。しかし、同級生の証言からは、中学時代に不登校になったことや、自分勝手な性格だったことなど、危うい一面が垣間見える。
犠牲となった18歳少女:未来を閉ざされた悲劇
定時制高校に通いながらガールズバーで働く谷澤さん。近隣住民からは「素直で、いまどきのお嬢さん」という印象を持たれていた。将来への夢や希望を抱いていたであろう18歳の未来は、突如として閉ざされてしまった。
谷澤優奈さんのような若い女性の卒業アルバム写真
父親の悲痛な叫び:「思い出せるのは最期の死に顔だけ」
愛娘を突然失った父親の悲しみは計り知れない。「思い出せる娘の顔は最期の死に顔だけ」という父親の言葉は、事件の残酷さを物語っている。
事件の真相究明と再発防止へ
1万円の金銭トラブルが殺人の動機となったのか、それとも他に要因があったのか。警察は事件の真相究明を進めている。 若くして命を落とした谷澤さんの無念を晴らすためにも、そしてこのような悲劇を二度と繰り返さないためにも、徹底的な捜査と再発防止策が求められる。