兵庫県知事選は11月17日に投開票を迎え、前知事の斎藤元彦氏が返り咲きを狙う出直し選挙となっています。職員へのパワハラ疑惑やおねだり疑惑で失職した斎藤氏ですが、最新の情勢は混沌としています。
斎藤元彦氏、驚異の追い上げを見せる
神戸新聞社とJX通信社が11月3日と4日に実施した合同調査によると、斎藤氏は当初先行していた前尼崎市長の稲村和美氏を猛追していることが明らかになりました。100条委員会での調査が継続中であり、告発文書を作成したとされる元局長の懲戒処分への斎藤氏の関与も疑われているにもかかわらず、この追い上げは注目に値します。
斎藤元彦氏、選挙カーで支持者に手を振る
県政担当記者によると、稲村氏は自民、立憲、維新、公明、無党派層から満遍なく支持を集めているものの、いずれの党派からも過半数の支持を得られていないとのこと。これは、斎藤氏が多くの支持を集めていることを示唆しています。
無党派層の支持が鍵
斎藤氏の支持層の中核を成すのは無党派層です。稲村氏は立憲民主党、国民民主党、連合の推薦を受け、一部の自民党県議からも支持を受けていますが、自民党と公明党は独自候補の擁立に失敗。自民党と日本維新の会の一部関係者は、個人レベルで斎藤氏を支援しているようです。
女性支持者に囲まれる斎藤元彦氏
兵庫県では、長年続いた井戸敏三元県政への反発が根強く残っており、井戸氏と良好な関係にあった稲村氏には刷新感がないと感じる県民も多いようです。一方、斎藤氏には現状を変える力への期待が寄せられています。
選挙戦略の変化
当初、稲村陣営はSNSへの投稿で稲村氏一人を写した写真を使用していましたが、斎藤氏の勢いに焦り、支持者に囲まれる様子を投稿するなど、戦略を転換したようです。人気を演出することで、無党派層へのアピールを狙っていると考えられます。
懸念される「阪神・オリックス優勝パレード」協賛金疑惑
斎藤氏が当選した場合、県政の混乱が再燃する可能性も懸念されています。最大の焦点は、2023年11月に副知事が「阪神・オリックス優勝パレード」への協賛金の見返りに地元金融機関への補助金を増額した疑惑です。1億円から4億円に増額されたこの補助金が不正なものだった場合、刑事事件に発展する可能性も否定できません。
斎藤氏は11月中にも100条委員会で2回の尋問を受ける予定で、この補助金問題についても追及される見込みです。仮に当選しても、この問題で再び辞任に追い込まれる可能性も考えられます。
兵庫県政の未来
兵庫県知事選は、斎藤氏の逆転勝利の可能性が高まる一方で、多くの疑惑が残されています。今後の展開次第では、県政の混乱が長期化する恐れもあり、予断を許さない状況が続いています。