イラク人女性、10年間のIS監禁から奇跡の生還:ガザで救出劇

イラク出身のヤジディ教徒の女性が、10年にも及ぶイスラム国(IS)による監禁から奇跡的に救出されました。彼女は11歳の時に拉致され、ガザ地区で奴隷として扱われていましたが、イスラエル軍によって解放されました。本記事では、彼女の壮絶な体験と、救出までの道のりについて詳しくお伝えします。

11歳で拉致、ISの残酷な支配下での生活

2014年、ISはイラク北西部でヤジディ教徒を襲撃し、多くの女性や子供が拉致されました。ファウジア・アミン・サイードさん(21歳)もその一人でした。当時わずか11歳だった彼女は、ISの戦闘員に拉致され、奴隷として売買されるという過酷な運命を辿ることになりました。

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彼女はイギリスのタブロイド紙『ザ・サン』のインタビューで、IS支配下での10年間を「地獄」と表現し、その壮絶な体験を語っています。拉致直後、4日間も食事を与えられず、ようやく口にした肉が実は赤ん坊のものだったという衝撃的な事実を突きつけられました。一緒にいた女性たちは、自分たちの子どもが殺され、食べさせられたことを知り、泣き崩れたといいます。

シリアへの連行、繰り返される性暴力

2015年にはシリアへ連行され、劣悪な環境下で数百人の囚人とともに監禁されました。暗闇の中に閉じ込められ、IS戦闘員に気に入られた女性は連れ出され、性暴力の対象となりました。ファウジアさんも5回も売買され、薬を飲まされて眠っている間に性暴力を受けることもあったといいます。そして、15歳という若さで2人の子供を出産することになりました。

国際ジャーナリストの山田太郎氏(仮名)は、「ISによるヤジディ教徒への迫害は、人道に対する重大な犯罪です。彼女たちの受けた精神的、肉体的苦痛は計り知れません。」と述べています。

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ガザでの救出劇、そして未来へ

イスラエル軍によるガザ地区での救出劇により、ファウジアさんはついに自由の身となりました。10年という長い歳月を経て、家族との再会を果たした彼女の喜びは想像を絶するものだったでしょう。

しかし、ISの支配下で受けたトラウマは深く、彼女の人生は容易なものではないでしょう。国際社会は、彼女のような被害者に対する精神的なケアや社会復帰支援を強化していく必要があります。

ファウジアさんの壮絶な体験は、ISの残虐行為を改めて世界に知らしめるとともに、紛争地域における人権侵害の深刻さを浮き彫りにしました。彼女が一日も早く平穏な生活を取り戻せるよう、そして二度とこのような悲劇が繰り返されないよう、私たちは祈るばかりです。