南アフリカ廃坑に閉じ込められた違法採掘者数千人、食料水遮断の窮地

南アフリカ北西州の廃坑となった金鉱山で、数百人から数千人もの違法採掘者が水と食料の供給を断たれ、地下に閉じ込められているという衝撃的な事態が発生しています。本記事では、この状況について詳しく解説し、背景にある問題点を探ります。

違法採掘者、地下生活の過酷な現実

この廃坑では、多くの違法採掘者が最大4キロもの深さで何ヶ月も生活を続けているとされています。南アフリカ鉱物委員会もこの実態を把握しており、劣悪な環境下での採掘作業の実態が明らかになっています。 閉鎖された鉱山内での生活は、まさに命がけと言えるでしょう。

南アフリカの金鉱山南アフリカの金鉱山

警察は違法採掘者を地上に呼び戻すため、食料と水の供給を停止。政府も救助活動を行わない姿勢を示しています。これにより、既に過酷な地下環境はさらに悪化の一途を辿っています。14日には腐敗した遺体が1体地上に運び出されたと警察が発表。事態の深刻さを物語っています。

家族の悲痛な訴え、閉じ込められた人数は?

14日、鉱山付近には閉じ込められた家族の安否を心配する人々が集まりました。AFP通信の取材に対し、ある女性は「兄弟、姉妹、そして8ヶ月も地下にいる夫が心配」と悲痛な声を上げています。

正確な閉じ込められている人数は未だ不明ですが、地上に戻った採掘者3人の証言によると、最大4000人もの人が地下にいる可能性があるとのこと。一方で、数百人という情報もあり、正確な人数の把握が急務となっています。

政府の強硬姿勢と労働組合の批判

大統領府は13日、「犯罪者には手を差し伸べない。彼らを炙り出す」と強硬な姿勢を示しました。しかし、この発言に対し、南ア産業労働組合は「4000人全員を犯罪者扱いするのは不当だ。多くは貧困に追い込まれた人々だ」と批判。違法採掘の背景にある社会問題を指摘し、犯罪組織の関与についても言及しています。 貧困問題と違法採掘の繋がりは、南アフリカが抱える大きな課題と言えるでしょう。

救出活動の現状と今後の展望

警察によると、これまでに少なくとも1172人の違法採掘者が自主的に地上に戻ったとのこと。また、地元住民も独自に救出活動を試みているという情報もあります。今後の救出活動の進展、そして政府の対応に注目が集まります。

まとめ

南アフリカの廃坑で発生したこの事件は、違法採掘の危険性と、その背景にある貧困問題を改めて浮き彫りにしました。閉じ込められた人々の救出と、再発防止に向けた対策が急務です。