春日部市民に長年愛されてきたイトーヨーカドー春日部店が、2024年11月24日をもって閉店しました。国民的アニメ「クレヨンしんちゃん」に登場するスーパー「サトーココノカドー」のモデルとして、多くのファンに「聖地」として親しまれてきたこの場所の閉店は、多くの人の心に寂しさを残しています。
サトーココノカドーのモデル、春日部市民の憩いの場
1972年に現在の場所近くに開店し、1996年に移転したイトーヨーカドー春日部店。地下1階から地上5階まで、食品、衣料品、生活雑貨、文具など、幅広い商品を取り揃え、テナントを含めた売り場面積は9420平方メートルにも及ぶ大型店舗でした。春日部市民の生活に欠かせない存在として、長年愛されてきました。
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期間限定で看板を「サトーココノカドー」に改装したり、映画とのコラボイベントを開催したりと、「クレヨンしんちゃん」との深い繋がりも魅力の一つでした。しんちゃんのオリジナルグッズ売り場も人気で、多くのファンが訪れていました。アニメツーリズムの聖地としても重要な役割を果たし、春日部市の観光に大きく貢献してきたと言えるでしょう。
閉店を惜しむ声、そして未来へ
閉店が発表された7月以降、5階の掲示板には多くのメッセージが寄せられました。「いつもあるのが当たり前だったので、さみしいです」「いままでありがとう」といった感謝の言葉とともに、手書きのしんちゃんのイラストが壁一面を埋め尽くし、閉店を惜しむ人々の思いが溢れていました。
静岡県から訪れた52歳の女性は、「閉店する前にどうしても来たかった。しんちゃんは子も孫も大好きなので、閉店は残念」と語りました。長年、家族の思い出と共にあった場所の閉店は、世代を超えて悲しみをもたらしています。
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2018年に埼玉県が設置した「アニメだ!埼玉発信スタジオ」も閉鎖となります。しんちゃんやひまわりの像と写真が撮れる空間や塗り絵スペースなどは、年間約3万人の来訪者を集める人気のスポットでした。閉店発表後は、国内だけでなく、アジア各国からの観光客も増加していたとのことです。春日部市は、これらの像を引き取り、市内の別の場所で展示するなど、活用方法を検討していく方針です。
閉店セレモニーは行われませんでしたが、最終日の24日は午後7時まで営業され、多くの買い物客が別れを惜しみました。イトーヨーカドー春日部店は、地域住民にとってかけがえのない存在であり、その閉店は大きな転換期を迎えたことを象徴しています。今後の春日部市の発展に期待しつつ、イトーヨーカドー春日部店の歴史と功績を心に刻みたいと思います。
新たな一歩を踏み出す春日部
イトーヨーカドー春日部店の閉店は寂しいですが、これは新たな始まりでもあります。春日部市は「クレヨンしんちゃん」の聖地として、更なる観光資源の開発や地域活性化に取り組んでいくことでしょう。アニメと地域が共存共栄する街として、春日部の未来に注目が集まります。