TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が、レンタルビデオ事業からの脱却を加速させています。書店や家電、さらにはジム運営など多角化を進める中、特に注目を集めているのがトレーディングカード(トレカ)事業です。なぜCCCはトレカに注力するのでしょうか?本記事では、その背景や戦略を詳しく解説します。
トレカ市場の急成長:CCC参入の理由
CCCがトレカ事業に参入した最大の理由は、市場の急成長にあります。近年、トレカ市場は大きな盛り上がりを見せており、その背景にはいくつかの要因があります。
第二次トレカブームの到来
1990年代後半にポケモンカードや遊戯王の登場で第一次トレカブームが到来しましたが、その後ブームは一旦沈静化しました。しかし、コロナ禍の巣ごもり需要や、かつてトレカで遊んでいた世代が親となり子どもと一緒に遊ぶようになったことなどから、第二次トレカブームが到来しました。YouTuberによるトレカ関連動画の配信も、ブームを加速させる一因となりました。リユース経済新聞の報道によると、2023年には300店舗ものトレカショップが新たに誕生したといいます。
TSUTAYAのトレカコーナー
投機対象としてのトレカ
第二次トレカブームの特徴は、トレカが投機対象として注目を集めている点です。コンビニなどで販売されるトレカは、中身がわからない状態で数枚がセットになっています。そのため、希少なレアカードには高値がつきます。特に、期間限定カードや販売終了したカードは、コレクターや投資家の間で高額取引される傾向があります。例えば、ポケモンカードの人気キャラクター「がんばリーリエ」は、2023年6月に最高買取価格1050万円を記録しました(Price Base公式ホームページより)。
TSUTAYAのトレカ戦略:多角化戦略の一環
CCCは、レンタルビデオ事業の衰退を受け、書店、家電、ジムなど多様な事業展開を進めています。トレカ事業への参入も、この多角化戦略の一環と言えるでしょう。トレカ市場の成長性に着目し、新たな収益源として期待を寄せていると考えられます。
レンタルビデオから一変? トレカ屋になりつつあるTSUTAYA
新たな顧客層の獲得
トレカ事業への参入は、新たな顧客層の獲得にも繋がります。従来のTSUTAYAユーザーに加え、トレカコレクターや投資家といった新たな顧客層を取り込むことで、事業の拡大を目指していると考えられます。
今後の展望:TSUTAYAとトレカ市場の未来
トレカ市場は今後も成長が期待されており、CCCのトレカ事業もさらなる拡大が見込まれます。TSUTAYAは、全国に店舗網を持つ強みを活かし、トレカの販売だけでなく、イベント開催やコミュニティ形成など、多様なサービス展開を進める可能性があります。トレカ市場の活性化に貢献することで、CCCは新たな成長の柱を築き上げることができるでしょう。