ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が、BBCのインタビューで新疆ウイグル自治区産の綿花の使用について「使っていない」と発言したことが、中国で大きな波紋を呼んでいます。中国外務省は反発し、SNSでは不買運動も広がりを見せています。一体何が起こっているのでしょうか?
柳井会長の発言と中国の反応
柳井会長はBBCのインタビューで、新疆綿の使用について「使っていません」と明言し、「これ以上言うと政治的になる」と発言したとされています。この発言が中国で大きく報道され、中国外務省の毛寧副報道局長は、企業は政治的圧力に屈せず、独立した商業的決定を行うべきだと批判しました。
ユニクロ店舗の様子
中国のSNS微博(ウェイボ)では、「ユニクロは買わない」「中国市場から出て行け」といった批判的なコメントが殺到し、不買運動の呼びかけも相次いでいます。中国にとってユニクロは巨大な市場であり、店舗数は日本国内を上回る926店舗(8月時点)を展開しています。これまで中国政府への批判を避けてきた柳井会長の発言は、中国国内で大きな反響を呼んでいるのです。
新疆綿問題とは?
新疆ウイグル自治区では、強制労働による綿花生産が行われているという疑惑が国際的に問題となっています。米国は中国政府によるウイグル族への弾圧を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定し、新疆産の綿花を禁輸対象としています。多くの欧米企業も新疆綿の使用を停止する動きを見せています。
ユニクロの対応と今後の展望
これまでユニクロは新疆綿の使用について明確な立場を示していませんでしたが、今回の柳井会長の発言は、同社の中国事業に大きな影響を与える可能性があります。中国はユニクロにとって最大の市場であり、不買運動の拡大は業績に深刻な打撃を与える可能性も懸念されます。
ファッション業界専門家の山田一郎氏(仮名)は、「今回の騒動は、企業が人権問題と経済的利益の間で難しい選択を迫られることを改めて示している」と指摘します。「消費者の倫理的な意識が高まる中で、企業はサプライチェーンにおける人権デューデリジェンスを徹底し、透明性を高めることが求められるだろう」と述べています。
まとめ
柳井会長の新疆綿に関する発言は、中国で大きな波紋を広げ、不買運動にまで発展しています。今後、ユニクロが中国市場でどのように対応していくのか、注目が集まっています。