「頂き女子りりちゃん」こと渡辺真衣被告に約3800万円を騙し取られたAさん(50代男性)。彼は深い悲しみと怒りの淵から、渡辺被告に3通の手紙をしたためました。2通は逮捕後に、そして1通は逮捕直前に書かれたものの、送られることはありませんでした。今回は、Aさんの胸の内を綴った3通の手紙の全文を公開し、事件の背景にある人間のドラマに迫ります。
逮捕直後、怒りとともに綴られた第一の手紙
2023年8月、渡辺被告が詐欺幇助容疑で逮捕された直後、Aさんは怒りに震える手で第一の手紙を書きました。留置所に送られたその手紙には、Aさんの無念の思いが込められていました。
「こんにちは。久しぶりです。留置所生活、少しは反省しましたか? よくも今まで全て嘘の話で私を騙してくれたね。 全額返済されるまでは絶対に許しません。刑期が終わっても。詐欺で騙し取ったお金がなくなるわけではありません。しっかり覚えておいてください。近日中に弁護士から書面が届くと思いますが、以前に書いてもらった一部の借用書だけでも、親に一任すると書いてほしい。反省しているなら、同封した便箋に親への手紙も書いてほしいと願っています。両親にも別々に手紙を出しました。」
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返事のないまま、一審判決後に送られた第二の手紙
しかし、渡辺被告からの返事は届きませんでした。8ヶ月後、渡辺被告に懲役9年の一審判決が出た後、Aさんは第二の手紙を拘置所に送りました。
「久しぶりですね。少しは反省しましたか? 私の目には、全く反省していないように見えます。以前も手紙を出しましたが、返信はありませんでしたね。あの時は住所を書かなかったので仕方ないですが… 控訴したそうですね。それを聞いた時、どれほど被害者の心を踏みにじれば気が済むのかと思いました。弁済するから減刑してほしいとのことですが…もし本当に反省して減刑してほしいなら、当初から各被害者に謝罪文と弁済方法を書いて送るべきだったと思います。そうすれば裁判結果も変わったかもしれません。とはいえ、今更謝罪文をもらっても信用できません。私が望むのは全額返済だけです。ホストからでもいいので、全額返済してください。もし全額返済されれば、あなたと元ホストの減刑嘆願もします。間に合えばですが… 返済計画が決まっていることがあれば、書ける範囲で教えてください。今後手紙を送ることがあるかもしれませんが、Xテレビさんの住所を借りて送ります。」
送られなかった第三の手紙、そしてAさんの苦悩
逮捕直前に書かれたものの、送られることのなかった第三の手紙。そこには、Aさんの苦しい胸の内が綴られていました。事件の詳細を知る犯罪心理学者の山田教授(仮名)は、「Aさんの手紙からは、騙されたことへの怒りと悲しみ、そして裏切られたことへの深い失望が読み取れる」と分析しています。
Aさんは、渡辺被告との出会いから事件の発覚、そして裁判に至るまでの日々を振り返り、精神的な苦痛を味わいました。人間関係への不信感、経済的な損失、そして社会的な stigma(烙印)…。これらの苦難を乗り越えるため、Aさんは専門家のカウンセリングを受け、法的支援も活用しながら、一歩ずつ前へ進もうとしています。
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終わりに
この事件は、私たちにインターネット社会における人間関係の脆さ、そして巧妙化する詐欺の手口の恐ろしさを改めて突きつけました。Aさんの体験は、決して他人事ではありません。被害者支援の重要性、そして一人ひとりが詐欺への意識を高める必要性を改めて認識する必要があるでしょう。